バトルサブウェイ、そこはバトル狂の巣とかしている場所。
そんな場所に入り浸っている私もすっかりバトル狂のレッテルを張られているのだけど。



「ボク クダリ」



知ってますとも。
何度貴方と戦いを続けてると思ってるの。
いつもの台詞をニコニコと、これまたいつもの笑顔で言うサブウェイマスターのクダリ。
彼に会うのも、数えきれない程の数なわけだけど、決まっていつも同じ事しか言わない。
まぁ、仕事だから、仕方ないのだろう。
分かっては、いるのだけど



「すっごい 勝負 始め」

「ません!!」

「へ、?」



やはり変化は欲しいものだ。
被せ気味に言った言葉に、クダリはぽかんと固まっている。
それをいい事に、私はさらに言葉を続けた。



「知ってる。クダリも、勿論ノボリも。いつもいつも同じじゃぁつまらないよ!」



ビシッと人差し指をつきたて、クダリの方へ向ける。
クダリはそれを凝視して、何も言わずにニコニコ。



「ハァ…クダリ、何か言ってよ…」



先ほどまで向けていた腕を横に下げ、大きな溜め息を吐く。
このままじゃ、バトルをしてお終い。
いつも通りじゃないか。



「そんなの、つまらない!」



ドサッと、品のない音を立てて席に腰掛ける。
それを見て、今の今まで黙りほうけていたクダリのニンマリ口が動き出す。



「なまえ、バトルしないの?」



キュルンという擬音の付きそうな目差し。
そこまでバトルをしたいものかと、少々呆れてしまう。



「えぇ、しない。このまま電車に揺られるのも悪くは無いかもしれない」

「えぇ、ボクなまえと戦いたい」



不意に上がった大声。
言った本人に目をやれば、瞳が残念そうに揺れている。
それを見た途端、罪悪感に似た何かがせり上がって来るのを感じた。



「私、バトル好き。でも貴方程じゃない。バトル意外に来てる理由だってあるの」

「、?どういう事?」



意味がうまく伝わらないまま会話が進む。
この想いも伝わらない。
バトルは、好き。
けれどそれ以上に好きなものが目の前にある。



「バトルより、クダリの方が好き」



ガタンガタン。
電車は揺れ、しばしの沈黙を静かに受け止める。
クダリは黙ったまま、微動だにしない。



「……クダリ?」

「僕も好き」



へ、と小さい声が漏れた。
カツカツと音を立てて近付く彼、見上げた顔はいつも以上に笑顔だ。



「ボクも好き、なまえの事。勿論、ラブの方ね?」



ニコニコ顔は、もうすぐで触れ合う近さ。
あぁ、今日電車乗ってよかった。
そう、心から思えた。



想い染みわたる
(ガタンガタン、電車はまだ揺れる)

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題名は、確かに恋だった様からお借りしました
鬼畜ダリ書いてみたい


20101226



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