あぁ、どうして、どうしてでしょう。
そんな言葉を繰り返してもこの気持ちが報われるわけは無く。
目の前の光景に思わず目を瞑った。
視界は塞がれ一面に広がる黒、黒。
黒は、わたくしの好きな色。
なのにこんなにもイライラするのは何故するのだろうか。
「え!そうなの?アハハ」
聞こえてくる彼女の可愛らしい声に、また胸のムカつきが増えた。
ズキズキと膿んだ様な痛みに眉を潜める。
ガタンガタンと電車が進んで行く。
彼女と、その恋人が乗っている電車。
彼女はわたくしの存在を知らないだろうし、知っていたとしても今の状況が変わることはない。
分かっている。
分かっているのだ。
なのに、なのに。
心の奥で、期待をするわたくしがいる。
「ノボリ、シングルトレインに挑戦者だって」
無線からのクダリの言葉にはい、と返事を返しシングルトレインに向かう。
まだ胸は痛い。
膿んだ心(ジクジクとどんどん広がる)
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ちょっと暗い……?
切なくしたかっただけなのにね。
20101206