「恋…ですか?その様な感情は味わった事はありませんが……」



予想通り、とでもいっておこうか。
今は、ノボリさんが休み時間とのことなので、一緒にお茶をしていた。
ひょんな事から恋愛の話になり、私がずっと気になっていた質問をしたところだ。
けれど、ノボリさん程の美形なのだからきっと経験は豊富なのだろう。
そんな考えが起きたら、聞かない人間はいないもので。



「じゃ、ノボリさん!」

「な、なんでしょうか」



ぐいと近付けばひょいとノボリさんは後ずさった。
勿論、私もその分近付くのだけど。



「キス、した事あります?」

「……はい?」



いつものポーカーフェイスが少し崩れ、驚いてる様子。
それが少し面白くて、どんどん迫る。



「貴女様は何を言っておられるのですか……」

「もしかして…無いんですか?」

「なっ……わたくしだってそれぐらいあります。そういうなまえ…貴女様はどうなのですか」



いたいところを突かれた。
私は、初恋はどころかキスだってまだだし、勿論処女。
しかしそれをノボリさんに知られるのはなんとなくだが、イヤだ。



「……あ、あ、ありますよ……キスくらい……」



さっきとは立場が逆転、私がノボリさんに迫られている。
私が後ずさればノボリさんが近付く…それを繰り返してるうちに、しまった後ろが、壁だ。



「さぁ、逃げられませんよ。白状しなさい」



ノボリさんの綺麗な顔が近い。
一歩間違えればファーストキスを迎えてしまう、そのぐらいの近さ。



「う…嘘じゃないです……」



もう、意地だった。
けどれすぐに私は何でこんな意地をはったのだろうと後悔をする。



「では、確かめてさしあげましょう」



そういうとノボリさんは自分の唇と私の唇を重ねた。
一瞬、何があったのか分からなくて、抵抗を忘れていた。
それをいい事にノボリさんは舌を私の舌に絡めて、いわゆる…ディープキスとやらをされてるようだ。



「ん……ん、ぁ、んっ…!」



事を理解した頃にはすでに、私の舌はノボリさんに絡めとられ、ピチャピチャと水っぽい音が嫌でも耳に入った。
羞恥心から身体を押してもビクともせず、ドンドンと胸の辺りを叩いてもやめてくれない。
必死に逃げようとしてもノボリさんはそれを許さないように執拗に舌を絡める。



「ふ、ハァ…ハァ……」



やっと唇が離れ、回らない頭に酸素を送るため一生懸命呼吸をした。
生理的に流れた涙をノボリさんは舐め、いつもの仏頂面じゃなく、笑顔で「ごちそうさま」と言ったのだ。



初めてだったのに!
(そんな事は言えなくて、)

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ノボリキャラ崩壊じゃないすかこれ?
だめだ。ノボリがどんどん変態に…!


20101203



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