※これは部下の気持ちの続き




あの、転んでしまう事件?から数日たった今でも、N様の手の感覚が忘れられずフワフワと夢心地でした。
けれど、時間は残酷なものでして…その夢心地を味わうのも許されません。



「うぅ……重い……」



この大量の書類がポケモンの解放と何が関係あるのか私には分かりません。
けど、流石にこの視界を塞ぐほどに積み上がった書類を持っていくのは女の私には少々困難な事もございまして…。



「う…う、うわぁ!」



バサバサと大量の書類をひっくり返してしまいました。
私のドジは生まれてからの物であり、もうどうにもならないのですが…出来ればもう少し器用になりたいです。
散らばった書類を一つ一つ拾って、どんどん手に積んでいく。
その時、いちまいの紙がスッと私の指を切った。



「いッ……たぁ」



こういう小さい傷は結構痛かったりするもので、少し涙が滲んだ。



「あ、また転んだの?」ビクン、と身体が勝手に反応をしめす。
恐る恐る上を見れば、案の定憧れのあの人。



「君、こないだ転んだ子だよね?」

「うぁ……、お恥ずかしい、限りでございます……」



顔に血がたまって、パンクしそう。
きっと顔は真っ赤でみっともないに決まっている。
あぁ、恥ずかしい。



「はい、これで最後」

「あ、ありがとうございます」



N様は私のひっくり返した書類を一緒に集めてくださった。
あぁ、なんてお優しいのでしょう!



「ねぇ、きみ。名前はなんて言うの?」

「え…なまえです…?」


ふーん、そっかそっか、なんて言いながらN様は何処かへ行ってしまった。
私のような者の名前を聞いてどうするつもりなのでしょう。
淡い期待を忘れるために急ぎ足で書類を届けに行った。



王様の気持ち
(気になるあの子は僕の部下)

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N×部下、第二弾。考えてて楽しいです!


20101203



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