我らがプラズマ団の王様のN様。
彼とお話ができるのは、七賢人様や、ゲーチス様など…結構偉い人ぐらいです。
私は入ったばかりの新人でN様とお話なんて恐れ多くてできません。
それに、見つめてるだけで幸せなのです。



「おーい新人、早くしろ!遅れるだろ!たく…とろいな…」

「す、すみません〜…」



あぁ、なんて私は間抜けなんでしょう。
ゲーチス様の大切な演説の日に寝坊なんて…。
バタバタと先輩の林田さんに近付く。
彼はとてもよくしてくれて、今も憎まれ口を言いながらも待ってくれてる。



「ほら、走るぞ!」



ギュッと、手を握られてドキンと胸がなった。
彼は気にしていないのだろうけど、私はそういうのになれていないものだから、意味もなく心臓がいたくなってしまう。















「………ポケモン……………………解放は………………」



無事にゲーチス様の演説に間に合い、よかったと安心して、ふと演説に耳を傾けている人々に目を向けてみると…
あれは…N様…?「ポケモンに自由を!!!」



あぁ、戻らないと。
ゲーチス様を囲むようにして移動をする。
けれど、私は本当にダメな人だ。
第一なんでこんな小さい小石につまずくんだろう。
ズシャァとなんとも豪快な音がした。
私が、転んだ音。
ゲーチス様の視線や、他の先輩の視線が痛い。
どうしましょう、泣きそうです。



「君、大丈夫?」



上から降り注ぐ声は、憧れていたあの人のもので。



「え…あ、……」

「あ、泣いてる。泣いちゃダメだよ、ほら立って」



手を引かれて立たされ、それどころか私の服の埃まではたいてくださっている。
あの、N様が。



「うん、よし。それじゃ、頑張って」



ポンと頭を撫でて、そのままN様は立ち去っていった。
遅れてやってきた恥ずかしさと、嬉しさで私の顔はありえない程熱くなっていた。



部下の気持ち
(ダメです。好きになっちゃいます。)

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N×部下とかおいしい気がしまして……。
にしても林田さん何者でしょうね。
自分で打ってて誰だコイツってなりました。


20101203



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