初めて会った時は、顔の筋肉がカチコチなのかと思う程ピクリともしない表情とハイテンションのコントラストが妙に怖くて、不気味な人だと思っていた。
今もその印象のまま平行線をたどっているのだけど、最初に言っていた"不気味"というのは撤回しよう。
彼は良い人だ。
「おや、なまえではございませんか。今日はどのようなバトルをしに来られたのですか?」
ここはギアステーション。
普通ならサブウェイマスターのノボリがいるのはおかしいのだけれど。
「ノボリさん、アナタこんな所に居ていいの?今頃、挑戦者が困ってるよ」
「心配は無用です。この時間帯に人は来ません」
確かにギアステーションはガラガラで、人はあまりいない。
それでもいいのかと疑問に思ったが、ノボリさんがいいと言うのならいいのだろう。
「それで、なまえはどのトレインに乗車するつもりなのです」
「え、えーと、」
交わる視線に違和感を覚えた。
いつもなら身長差があるので目線が合わず私が上を向くのだが、今日は違う。
彼が目線を合わせている。
その違和感から普段ならうるさくない心臓が途端うるさくなってきた。
なんて変化に対応できない心臓なんだ。
「き、今日は、ダブルトレインのつもり…です」
少々吃りながらもそう正直に答えたらノボリさんはそうですか、と言ってスタスタと歩いて行ってしまった。
あぁ、何なんだろう。
この感じ。
心臓は、まだうるさい。
これが恋だなんて(僕らが気付くわけもなく、)
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また微妙な……。
ノボリさんは以外とテンション高いと言う事をいいたかった。
20101203