3、2、1…(2)
首筋に唇を落とされ、オルフはピクリと体を跳ねさせた。
そのまま首筋を舐められ、ゾクリと背筋が粟立つ。
服を捲られ、シリウスの右手はオルフの胸の突起を弄った。
「っ………」
指の腹で捏ねると、それは堅さを増していく。
ツンと尖り、その存在を主張してくる。まるで、触って欲しいと。
「尖ってる……気持ち良い?」
「ゃ………っ」
既にオルフの息は荒い。
愛する者に触れられているのだ、熱が上がるのも早いに決まっている。
シリウスは少し嬉しくなり、存分に突起を弄ったその右手を、少しずつ下に下げる。
へその窪みを軽く弄り、更に下を目指す。目指す場所は、そう……。
「っ!ゃ、やだ、シリ………っ!」
右手は、オルフの中心部にたどり着く。
先程の愛撫で小さく主張する自身を緩く握ると、オルフは少しの恐怖に抵抗した。
「大丈夫、オルフ……怖くないから……」
「ふ、ん………ぅ……」
柔らかくキスをされ舌を絡められ、オルフの思考は、恐怖と快楽に支配される。
その間もシリウスの右手は、オルフ自身を弄り、より一層快感を与えた。
先端を親指で弄り、全体を上下にしごき…。先走りがぐちゅぐちゅと、卑猥な音を奏でる。
「ん、ぁ!……っやだ、シリ…!やめ、」
「嫌、じゃないだろ?気持ち良い?」
「あ、あっ…や、出、……っ放し、っ」
オルフは途切れ途切れに限界を訴える。
やめてと、オルフの手はシリウスを拒むように体を押すが、シリウスは離れようともしない。
それどころか、より一層指を激しく動かし、オルフの絶頂を促す。
「っ!シリ…っ!お願っ…!」
「いいよ、出して」
「や、!…あっ……あ、っぅ、ん!!」
耳元でそう囁かれ自身を激しく弄られた。オルフはシリウスの手に精を放つ。
ビクビクと体びくつかせ、シリウスにしがみついて達する様はいやらしくて仕方がない。シリウスは苦笑した。
「……っふ、は…ぁ…はぁ……」
絶頂の余韻に浸るオルフ。
シリウスに抱きつきながら、オルフは快楽と羞恥の余韻に身震いをした。
「………っ、恥ずかしくて、死にそう………」
シリウスの肩に額を押さえて、そうオルフは言い放った。
シリウスはそんなオルフの頭を優しく撫でるが、自分にも限界が来てることを理解していた。
肩で呼吸をしているオルフに申し訳ないと思いながらも、そのオルフに言う。
「オルフ…ごめ、もう限界…かも」
「は、ぁ……」
まだ肩で息をし、シリウスにしがみついてるオルフ。
シリウスは少し体を離し、オルフの唇にキスを送った。
「ん…、ぅ…」
歯列をなぞり、奥に潜むオルフの舌を、シリウスの舌が絡めとる。
怯えた様子のオルフの舌は、少しずつシリウスに解きほぐされていった。
「は、はぁ…っん」
飲みきれなかった唾液が、オルフの口の端から溢れる。
名残惜しげにシリウスが唇を離せば、熱に浮かされたオルフの顔があった。
トロリと溶けた二人の思考。
お互いがお互いを欲していた。
「オルフ……無理なら無理でいい……でも俺は、…」
―――違う意味で、無理っぽい…。
そう呟き、苦笑いをしながらいつもとは違う余裕のない表情をした後、オルフを抱き締めた。
あんなキスの後にこの言葉とこの表情、そしてこの包容は反則だ。
オルフはぼんやりとした思考のままそう思った。
「シリウス………」
「っオルフ…?」
「いいから、続けて、ください…」
顔を真っ赤にさせるオルフ。慣れないことを言って思考が停止してしまいそう、と思った。
しかしこう言うということは、オルフもシリウスを欲しているというわけで。
「…っ……オルフ、とまんねぇぞ?」
「だから、いいと言っているでしょう…!」
オルフが顔を真っ赤にしそう言った瞬間、シリウスは再び触れるだけのキスをした。
そして、先ほど放たれた白濁を指に絡め、オルフ自身の更に奥の秘部に塗りつける。
そして、指を一本、ゆっくりと挿入した。
「っ!い、痛………っ」
「我慢して、オルフ…」
「ふ、…ぃ、…っ」
慣らして広げるように、まだ指の一本だけれども、傷付けないように内壁を弄る。
シリウスにしがみつき、慣れない内側からの刺激と痛みに、オルフは必死に耐えた。
「は、っは……ぅ………」
「…苦しいよな…やっぱ止めようか?」
「っ、い、いから………」
シリウスにしがみつき、止めないで、と小さい声で呻くオルフ。
瞼をぎゅっと瞑り涙をぼろぼと零し、脂汗を流して耐える。
シリウスもどうしていいかわからず、取り敢えず内壁が解れてきたのを確認し、指をもう一本増やした。
「ヒ…!ぁう………っ…」
苦しそうな声が響いた。
やはりやめよう、とそう思ったシリウスは最後にぐり、と内壁を擦った。
「!っひ、ぁん!!」
途端、オルフの体がびくりとしなる。
シリウスは驚くが、それ以上にオルフが自分の甘ったるい声と体の異変に驚いた。
「もしかして、ここ、いいとこ?」
「や、だっ!そこ……あ、んっ」
そう問いながら先程の場所をコリコリと弄ると、オルフはシリウスにしがみつきながら喘ぐ。
シリウスは嬉しくなり、そこを集中的に弄る。オルフはその度に声を上げた。
気がつけばオルフ自身は再び立ち上がりその存在を主張している。それを時折弄れば、オルフは歓喜の声を上げる。
「や、シリ…、も…」
「いい…?挿れても…」
オルフは涙を流しながらコクコクと必死に頷いた。
オルフ自身、もう自分が何をしているかわかっていないのだろう。
シリウスは指を抜き、猛った自身を取りだしオルフの秘部に擦り付けた。
「―――っ」
途端、オルフの熱が一気に冷める。
「……オルフ?」
「………っ」
オルフの様子が一変した。それはシリウスにも通じたらしく、声を掛けるが反応が無い。顔も、心なしか青ざめている。
その内、しがみつくオルフの体が、カタカタと小刻みに震える振動が伝わる。
「オルフ、怖いのか?オルフ」
「ぅ…………」
―――怖い。
得体の知れない恐怖が、オルフを襲う。
昔の、記憶を、思い出してしまう。
「………オルフ、顔上げて、俺を見て」
優しく背中を撫でると、オルフがゆっくり顔を上げた。
―――視界に写るのは、シリウスのみ。
オルフは、安心し少しだけど緊張を解いた。
同時に、涙がぼろぼろと零れる。
「オルフ…」
ちゅ、と音を立てて、シリウスは頬や額や瞼にキスを落とす。
唇が触れる度に緊張が解けていくのがわかった。
逆にまた上がる、体内の熱。
「………は、」
「オルフ、もう大丈夫か?」
「ん……すみません…」
頷き、その言葉を聞くとシリウスは再び自身を秘部に擦り付ける。
先程とは違い、その熱さがオルフの理性を奪っていった。
―――確かに怖いけれど、早く、欲しくて仕方ない。
いつのまに、自分はこんなに淫乱になってしまったのか……
オルフはそう思った。
ズルリと、シリウス自身がオルフの体内に埋まる。
「ぅ、く………」
苦しさは指の比じゃない。
大きくて、固くて、熱くて。
オルフは幸せで苦しくて、どうしていいかわからなくなった。
「あ、ぐ………」
「っ…我慢して…」
頷くことも出来ず、次第にしがみついてもいいか解らず、シーツを掴んで耐えた。
涙は止まることを知らない。
「あ、あ、はぁっ……!」
「オルフ、俺にしがみついていいから…」
シーツを握る手が優しく外され、シリウスの背中に回された。
このままだと、シリウスの背中に爪を立ててしまうというのに……。
「あっ…、く」
「一気に挿れるよ、我慢して」
じりじりと挿れてるほうがオルフの体に負担を掛けると思ったのだろう、少しでも痛みを和らげるべくオルフ自身を弄りながら、その瞬間、シリウス自身がオルフの内壁を抉りながら押し進んだ。
「あああぁあっ!!」
快感と苦痛に耐えきれず、悲痛な声を上げシリウスの背中に爪を立てる。
シリウスも痛みに息をつめるが、それよりもすがってくれるオルフの存在が嬉しくて仕方がなかった。
「オルフ………っ」
「ひ、ぅ……はぁ…っ」
肩で息をするオルフ。
零れる涙を舌で掬い、瞼や頬にキスを落とす。そうやってオルフが体内の異物に慣れるのをシリウスは待っていた。
次第に少しだけ余裕の出来たオルフは、体内にシリウスが埋まっているのをしっかりと感じてしまう。熱く脈を打つ、シリウス自身を。
自覚し、オルフの体がジンと熱を上げる。
恥ずかしくなってシリウスにしがみつくが、シリウスの匂いが鼻を擽り、逆に羞恥が増した。
「ぁう………っは、シリウ、ス………」
「もう、大丈夫か…?」
シリウスの声に余裕がない。熱っぽい吐息混じりに問われ、オルフもそれにつられるように体の中心がジンジンと熱を上げ、小さく頷いた。
するとゆっくりと腰を動かし始める。
「ん、ぁ……、く……」
まだ完全には慣れない、体内の異物がゆっくり抜かれ、そしてゆっくりまた挿入される。
オルフの様子を見ながら段々とスピードを上げるシリウス自身。苦しいけれど、苦しさだけではない体の中心から上がる快感に、声を上げないようオルフは唇を噛んで息を詰めた。
「ん、んく………ふぅ…」
「声出して、辛いだろ」
シリウスはオルフの唇をなぞり口を開けさせ、親指を入れ口内で苦しくない程度に遊ぶ。ちらりと覗く紅い舌がシリウスの欲をより一層掻き立てた。
口内の指の存在で必然的に声を我慢することが出来ず、また、飲み込みきれなかった唾液が口の端から流れる。
「は、ぁふ…っあ、あん」
ぐち、と粘着質の水が鳴る。
自分の中を行き来される感覚に、次第に脳が蕩けていった。オルフの表情が光悦したものに変わっていく。
しかし――
「っ、やべ……!」
「っぁ!?」
突然、中に注がれた。
この状況で注がれるものと言えば見当も簡単につくわけで…。
「ご、ごめん…中に出すつもりはなかったんだけど…」
「っ…最悪、です……それに、早いですよ…」
頬を赤く染めるオルフ。
放たれた熱い白濁のせいでより一層シリウス自身の存在を感じてしまう。
オルフの熱は密かに高まった。
「ごめんな…オルフはまだイってないのに…責任はちゃんと取るから」
そう言ってくちくちとオルフ自身を弄る。歓喜に震えるように、どろどろと、先走りは止まることを知らずシリウスの手を濡らす。
その事実がとても恥ずかしくてオルフは目を瞑った。
そして再び、ゆっくりシリウス自身が抜き差しを始める。
「ふぁ、っ…ん、あ…!」
オルフは再び喘ぐ。
先程放たれたシリウスの白濁が滑りを良くし、オルフの体内でぐちゅぐちゅと音を奏で聴覚さえも支配していく。
シリウスもまた、オルフのその声に煽られ再び猛る自身のスピードを上げた。
「あん、あっ、あ、あ…!」
「っオルフ、可愛い……気持ち良いか?」
「や、あ!ん、ぅ…っ」
そんな風に問われて、答えられる筈もなくて。
苦しくて、気持ち良くて仕方ない。
「あっ、や、シリ…、っ」
「オルフ…」
「あ、あぅ…っきもち、い…っぁ」
途切れ途切れに、そうオルフは言っていた。自分が何を言ったかきっと気付いていない。
しかしシリウスにはしっかりと届き、彼の熱をぐんと上げてしまう。
「っ…反則、だって…」
応えるように、何度も奥を突く。
すると、シリウスは無意識に先程のオルフのスポットを自身でかすってしまったらしく、オルフはビクリと体をひくつかせ、より一層声を上げた。
「ゃん!!」
「あ、ここか」
「ひゃ、やだ、やめ、っああ、ん!」
苦痛というものがわからなくなるぐらい、思考は蕩けてしまい。
先走りはどろどろ流れ、涙も流れ、声も抑えられなくて、けれどその羞恥すらも媚薬になった。
オルフ自身どうしていいのかわからなくて、それでも時折自身を掻き回すように動かしながら前立腺ばかり狙ってくるシリウスに泣きつき、しがみつくしか無かった。
「や、やめ!っあ、おかしくな、る…!」
「おかしくなっちゃえよ…」
ピストンは激しくなる一方で、シリウスは煽るようにオルフ自身を上下に扱きながらそう言った。
溺れてしまいそうで、自分を見失いそうで、それでも気持ち良くて幸せで、涙を流しながら喘いだ。
「やぁ、だ!っい、イク、!イっちゃ……!」
「大丈夫、出していいよ」
「いや、あ、ん!…っふ…」
「オルフェウス、愛してる……」
「や、あ、ああ、シリ……ふっああぁ…!!」
耳元で愛の言葉を熱っぽく囁かれ、オルフはシリウスにしがみつきながら彼の手の内にビクビクと体をビクつかせ精を放った。
「っぅ………」
「ん、ゃ………ふぁ……」
シリウスもまた、達したときの秘部の締め付けが刺激となり、中に精を放つ。
中に注がれる熱い白濁にぞくぞくと背筋が粟立ち、小さく声を上げた。
そのままシリウスにしがみつきながら肩で息をするオルフ。余韻に浸りながら、少しずつ覚醒する頭。恥ずかしくて顔を上げれなかった。
ふと、ずる、と秘部からシリウス自身が抜かれる。自身が蓋となっていたのでどろり白濁が流れ出た。
「はぁ、ん………は、っはぁ…」
「大丈夫か…?」
「…、…えぇ……、…恥ずかしくて、死にそう、ですけど…」
「立てないだろ?後で処理してやるから、…二回もごめんな…」
苦笑し、シリウスは申し訳なさそうに額にキスを落とす。
「………」
―――中に放たれたのが、シリウスを感じれて嬉しかったなんて、絶対に言ってやらない。
「………けど、気持ち良かった、ですから…」
そんな顔、しないでいいです。
オルフは顔を赤くしながら、小さな声でそう言った。
シリウスは、そんな可愛らしい愛しの恋人を本当に幸せそうな笑顔で抱き締めた。
終
シリオル初夜\(^o^)/
あー恥ずかし楽しかった!(笑)ってか長いですすみません。裏はやたら長くなる宵です。
これを書いてて出来た設定、シリウスはえち時キス魔。酒飲んで酔ってもキス魔。
サンホラの初裏文がシリオルとか、石投げないでいたいいたい!