恋人と親友





「君とエレフはとても仲が良いようだね」

突然呼び出されて、エレフとシリウスの見えないところで突然こんなことを言われた私オルフェウス。

「は?」

この獅子王は、エレフという者がいながらシリウスを抱き締めた前科がある(ちゃんと愛しているかな?参照)ということで身構えていましたが、まったくそんな様子のないレオンに拍子抜けしました。いや、期待してた訳じゃなく、そんなことになるようなら私の竪琴が火を吹く的な意味で。だって気持ち悪い。

「何を言っているんですかこのスカポンタン」

「いきなりスカポンタン呼ばわりするとはいい度胸だね」

「仲がいいだなんて今更でしょう。確かに大将と部下ってのもありますが、私はエレフのことを友人だと思っています」

「果たして、エレフもそう思っているかな?」

なんだこいつ、さっきから何か引っ掛かる言い方をしやがって。
怪訝な表情を隠すことなく、寧ろ彼の前でポーカーフェイスを保つなど無駄な労力に過ぎないので、舌打ちよろしくな不機嫌さを露にしたまま獅子王を睨み付ける。

「さっきから何が言いたいんですか?」

「君は、エレフの相談に乗ったり涙を見たり抱き締めたり額コツンしたりして、私も何度か嫉妬したりしたよ。だけれど大人げなかったね」

「だから、何が…」

「エレフの“友達”の君相手に、“恋人”の私が嫉妬するのもおかしな話だったよ」

「………はい?」

「エレフの“恋人”として謝罪する」

やたら恋人を強調する獅子王。ああもう獅子王すら呼びたくなくなってきました。もう金メッシュでいいですかね。
このクソ金メッシュが何を言いたいのか何となく意図を察し、沸々と怒りが込み上げてきました。

「つまり、私はあなたよりも格下だと言いたいんですね?」

「おや、察してくれて嬉しいよ」

ニッコリと金メッシュは微笑みました。実に優雅に。ああその笑顔、意図としてやってんだろこいつ。
瞬間、ブチィと頭から何かが切れる音がした、ようなしてないような気がしましたが、気のせいですよね。
ただこの金メッシュへの殺意は頂点に達したようです。さぁ竪琴片手に戦闘配備ですよ!いっせーのーで!

「貴様あああああ!レオンティウス殺す!!」

「わーっ待てオルフ、落ち着けえええ!!」


瞬間、陰からシリウスが飛び出し竪琴を振りかぶる私をがっしり抱き止めました。覗き見ですか取り敢えず離してください滅殺滅殺。

「おやシリウス君、覗き見かい?」

「こんなことがあった場合のために見張ってたんですー!」

「はっはっは」

「笑い事じゃないですよー!とりあえずレオンさん逃げてくださいー!!」











レオンだってオルフに嫉妬してたんだよ、って話。


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