小ネタとか | ナノ


日光が降り注ぐ午後の屋上にて僕らは寝っころがっていた
勇士は普通に眠くて
僕は……暑さでバテて

こんなことになるなら外で寝なければ良かった
寝ている間に汗を掻いてたみたいで服が微妙にべとべとするし……
暑さで動くのも怠く思ってなかったら速攻家に帰ってシャワー浴びるのに!!

「あーつーいー」
「……」

騒ぐ僕なんて気にせず眠り続ける勇士に少しだけムッとする
構えよー。暇なんだよー

ずるりずるりと体を動かして勇士に近づいて、けれどそのせいで疲れたからイタズラすることが出来なくて、勇士の赤い髪を弄る

僕とは違う、赤くて少しだけ癖のある髪
知り合いのバケモノはこんな勇士の髪を直接見ることができないだってね
それは少し、つまらないな〜

僕たちは双子
それは誰もが否定できない、したとしても事実であること
それじゃあなんで僕たちはこれほどまでに似ずに生まれてきたのかって?

僕たちはそれぞれ決められた強い感情を持って生まれてきた
喜怒哀楽を表すように色を決められて、僕ら狂乱の子供は生まれてくる

遠い昔、誰かが狂乱を繁栄させたくて契約した。それは悪魔のような存在で、でも違う存在
その存在は魔の物なのには変わらなくて、代償は魂なんてものじゃなくて人間の悲劇を好んだ
そしてそのために、わざわざ喜怒哀楽のどれかを強く思うなんてふざけた要素もつけてね

呪われて、悲劇を見せるためだけに生きながらえさせられて
暇潰しだけで生まれる僕らはなんて可哀想な存在なんだろうね?

……なんて、悲観しないよ?
案外僕は僕の欲望のままに生きてるからね。不満なんてないさ
楽しんで楽しんで、最高に楽しい瞬間に死んでしまいたいってのが最期の願望

「ゆーうーしー、家帰ろーよ〜」
「……うるせぇ」
「ひどいなぁ。長男命令ー」

目を開けて、赤い瞳で睨んでくる勇士。きっと勇士とは違うオレンジ色の瞳で面白そうに僕は見てる
そんな殺伐とした僕らの空気を壊すような気配が一つ
屋上の扉を開けて、現れた

それはさっき言った知り合いのバケモノ
無表情のままなのに嫌そうな雰囲気で僕らを見てる
なんてついてるんだろうね?
僕はゆっくり立ち上がり、勇士もバケモノの存在に起き上がる

バケモノ、朝霧影がドアを閉めて逃げ出すのと僕らが笑って追い出すのは同時
可哀想なバケモノ。僕ら双子に目を付けられて

なんて
微塵も思っていないけどね♪



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