小ネタとか | ナノ


仕事が終わって、夜にホテルを出て散歩をしていたら開けているとこに出た。
広い草原に夜空には無数の星々。日本ではあまり見れない光景に気分が上がる。

こういうのが見れるんだったら外国に来るのもまあまあいいよね。
上を見上げたまま草原に座れば、海も隣に座った。そんなの見なくてもわかるから、私は海を見ずに星空だけを見つめる。

「ねぇねぇ、あれって白鳥座だよね?ってことは近くにこと座があんのかな?」
「そうかもな」
「どれだろ……日本より星が多いからごちゃごちゃしてて……あ!海見たか!?今流れ星が!!」
「おー」
「え、え、願い事してない!!あー!!金って三回言えれる長さだったのに!!」
「そうか」
「……海、もしかしてつまんない?」

短い返事しかしない海の方を見れば、いつから見てたのかこっちを向いてる海と目が合う。相変わらず海の表情からは何も読めない。
でも、今更だけど海にとってはつまらなかったかもしけないと少しだけ不安になった。だって海は海が言うには記憶だけでもう1000年以上は生きてる。きっと星座とか、そういう知識だって記憶にある。

……やっちゃったかなぁ。
私だってつまらないことは嫌いだ。だからなるべく誰が相手だろうとそんなことならないようにしてるんだけど……ちょっと星空でテンション上がってたから失念してしまってた。

「いや、つまんなくないぞ」
「ほんとか?お前本心隠しやすいじゃん。本当につまなくないか?」

めんどくさい奴と思われようが、気になってしまったんだから仕方がない。
こっちだって心配なんだよ!!お前の表情も目も感情読めないから!!

そんな私の不安を知ってか知らずか、海は手を伸ばしてきて私の頭を撫でる。
……訂正。髪が乱れるほどの強さで頭を撫でられた。

「おまっ、ちょ、ふざけんなお前!!やめっ」
「よーしよしよし、お前はほんとうぜぇなー」
「このっ、こちとらまじめに聞いてるのに!!」

抵抗するが力は海の方が強いため、結局海が満足するまで頭を撫でられた。撫でられたというか、髪をボサボサにされた。くそがっ!!
ずっと抵抗していたせいで体力も大分ない。おかげで疲れた私は草の上に寝っ転がった。

きらきら光る星の色は赤だったり青だったり白だったり。これどういう仕組みなんだっけ?覚えてないなぁ。
星と色で金平糖を連想してしまう。今すぐ食べたいけどここは外国だから日本に帰ったら買いにいこう。今じゃ売られてるところが少ないけど、食べてくなってしまった。

「おい、ここで寝るなよ」
「寝ねーよ。誰のせいでこうなってると思ってんだ……」

覗き込んできた海に手を伸ばせば、掴まれて勢いよく引かれて立ち上がる。こいつ力加減しろよ。伸ばしたのこっちだけど腕痛い。
服についた汚れを落として海を見ると、珍しく笑っていた。それが星空を背景にしてるからかきらきらしてて――

「お前といてつまんなかった時はねーよ」

――すごく、海らしくない。
だからちょっとだけ視線を外して「あっそ」と答えたらまた頭を撫でられた。今度は優しく。
それにちょっと居心地が悪くて、でも言われた言葉には少なからず喜んでしまった。

「……悔しいなー」
「ん?俺に惚れたか?」
「いやそれはない。早くホテル戻ろう」


海より先に来た道を戻る。海の方を見てはいないけど、やっぱりあいつがすぐ後ろに付いてきてるのはわかった。



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