むかしむかし
ある山を越えた場所に小さめの町があった
その町は四つの区に分かれて四柱の神様を祭っており
そしてその神様のために何年か一度、生贄が捧げられていた

生贄は七つまでの子であり、白羽の矢が立った家の子
その決まりはいつの日から受け継がれていき、何度目かの生贄を捧げる時が来た

ただ、例外な事に白羽の矢は四つに分かれている境界線上にある二か所の家に刺さる
仕方がないので大人たちはその二人の子を二柱ずつ捧げることにした

狼と竜の神々の生贄に選ばれたのは七つになる前の鍛冶屋の長女
鳥と岩の神々の生贄に選ばれたのは貧しい大家族の次男
二人は同い年で選ばれ、数カ月は別々に生贄としての清めを受けてから後に合流した

……それがいけなかったのだろうか
四柱の神々が殺された
性格に言えば町の人々がそう敬っていた神と思わしき存在が殺され、割れていたのだ
肝心の生贄の二人はいない。待ち人は二人が殺し、逃げたのだと思った



その通りに少年少女が殺しました
どんな約束があったのかは本人たちのみぞ知ることですが二人は神殺し≠ニいう大罪を犯したのでした
少女が持っていた不思議な短刀と打刀を二人で分けて罪を犯し
逃げ出しました

二人は呪いを受けました
少女は周りの人を不幸にしてしまう呪いを
少年には何度も前世の記憶を受け継ぐ呪いを

何度も何度も巡り巡って会っては自分の魂のために二人で生を終わらせる
神々に自分たちの魂など渡せるかと、哀れな抵抗を繰り返すのでした
これは、そんな二人の今世の話




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