「えー、気をとりなおしてゲームを開催しようと思います。ちょっとした交流会さ♪」
男がパチンッと指を鳴らすと同時にオレの手元にあるものが現れた
それは耳当てみたいな物で、けど耳当ての下から線が出てる。その線は最終的に一緒になってた
……これは、ヘッドホン?
「君たちの手元に何かしら物があると思う。それは君たちを表した何かさ。それは君たちにとって魂と同じだから失くさないように」
男の説明を聞きながらヘッドホンをよく調べてみる
繋ぐ部分はあるのに繋ぐものはない。耳に当てる部分は柔らかいけどそんなにふわふわしてなくて自分が好きな感触だ
それにしてもこれが魂と同じっていうことは、破損や完全に粉々になったら魂も消滅とかするのかな?
どうでもいいから質問しなくてもいいか。壊れたときは壊れたとき
「それでは今からいろんなところに行って良いよ!誰と一緒に行くも一人で行くもOK。時たまいろんな人に会ったり話したりしたら指示にはしたがってね?そしてみーんな無事≠ノここに帰ってきてね!!」
男が片腕を上げてまた勢いよく指を鳴らした。……音は聞こえないから、不発?
――ガコンッ
「!!」
急に感じた浮遊感
よくわかんないけど、どうやら床が消えたみたいでそのまま下に落ちていく
怒号、悲鳴、歓喜?
多くのいろんな声に交じってその声ははっきりと聞こえた
「愛しい愛しい愛し子。これは君のための世界でもあるんだよ」
……とりあえず
浮遊感のせいで吐きそう
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