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「ごめんね。私が足手まといになったりしたせいで」
「いや……平気だ……」
素っ気ないように言うけれど、それがリベン君の優しさだって知っている
突然の襲撃を仕掛けてきたあの人たちは一体誰だったのかわからないけれど、私のせいでリベン君が思うように動けなかったのは確かで
そこで小さくても動けている少年が気になった
あれぐらい自分の弱点をカバーできるようになれたら、すごいのかもしれない
そうすれば、私だって足を引っ張ることなんて……
「あの、さ」
「うん?」
「……優は、優のままでいいと思う」
考えていることを見抜いたかのような言葉
薄暗くなってきたから、私からリベン君の顔は見えない
でもきっと、リベン君の頬は赤いのかな
私はそれも優しいからって、リベン君は恥ずかしがっててと自分で自分に思い込ませる
嬉しいと、思ってしまっても
自惚れてはいけない。自惚れていいはずがない
だって私には、何もないから
「ありがとう、リベン君!リベン君は本当に優しいね!!」
そう。リベン君は優しいから
私は自分に言い聞かせて見えないふりをする
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