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遊也side

良いご身分だねぇ
何時もの僕にしては地味な服装で喫茶店からそれを見る

仕事でここに来たけど、おもしろい物が見れた
やっぱり屋敷なんかでどっかり構えているより僕は外を歩き回っていたほうが楽しいし、情報収集もできるからいいよねー
ケーキを一口サイズにとって食べようとすると、目の前にいる黒い目と合った

「くすくす、なんだか不満そうな顔」
「……不満にもなりますが?急に肩に担がれて連行されたオレの身になってください」

無表情のままだけど声音には一切怒りを隠さないで僕を見てくるバケモノ、朝霧影
怒りじゃなくて殺意のほうが僕的にはいいんだけどな〜。でもそんなこと言ったら今は面倒なことになるから黙っておこ

朝霧影にしては珍しく僕がおごってあげると言ったパフェを食べていて、いつもよりは大人しい
中途半端に律儀なとこが人間らしくて僕は嫌いだけど。バケモノはバケモノらしくしててほしいんだけど
そんなことを思って軽く足を蹴ったらすごい勢いで蹴り返された。避けたら少しだけ顔を顰められたけど僕は悪くないもーん

「……ところで遊也先輩。なんでオレも連れて来られたんですか?……余計な人を巻き込むっていうなら全力で殺しにかかりまいけど?」
「そうやって殺せないくせにねぇ。……君は僕の組じゃないから本当はダメなんだけど、僕が楽しみたいから巻き込んだんだけどさぁ」
「一片オワレ」
「ちょーっと、一人の女性の役に立たない?」

微かにだけど、確かに朝霧影は僕の話に食いついた
無表情だから読みにくいけれども、女性って辺りで確実に反応してる

うわぁ、変態みたい(笑)
物凄く口に出したいけど今は僕の計画のためにも朝霧影を丸め込もうかな。この変な決まりを持ってるバケモノを動かすは案外簡単だったりする

ニヤリと笑う僕を疑うようにみているけど、騙すのは得意だったりする
だって嘘だってつかないと、駆け引きなんて当然できないし?


遊也side


  


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