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なんの行事だかわからないけど開催されてた大きな祭り
片割れの遊也は面白そうってだけで俺を巻き込んで来た
早々に子供のように騒いで消えた片割れにため息をついて近くのベンチに座る
ぼーっとして人の流れを見ていると、背中に衝撃が来た
殺意とか敵意がないのでとくに何とも思わず向くと、そこにいたのは見覚えのあるようなないような顔
確か……
「鷹野の一人娘……」
「あ、アルんとこによく来るおにーさん」
食べ物やら金やら、自分の利益になることには手を出す奴だった気がする
とくに強くもないし弱くもない、言ってしまえば自己防衛のためだったらなんでもできるタイプだった気もする
なんでいるんだ?
口に出すのはめんどくさいから目で言う。これは片割れとしか通じないし、運が良くて化け物みたいな連中にしか通じない、はず……
「私はおいしい食べ物が売ってると聞いてきたんですよ。あと運が良ければお金が手に入るゲームがあると」
「……」
「お金ですよお金?この世界が回っているのはお金だと言っても過言ではないお金ですよ!?これは行かねばならないと思いました」
「…………」
「そうなんですよ。ひよこ君もアルも連絡着かなくて……変態は例外なんて一人です」
「……」
「誰がぼっちだゴラァ」
会話が成り立ってる
こんなに通じるのは片割れの遊也と同じくらいなんじゃないか?
もしかしたら遊也より上かもしれない
この状態の俺と話そうとする気は遊也はあんまり持っていないし、時たま通じないことだってある
……珍しい体験をしてる気がする
「あ、ちょにうどいいやお兄さん」
「……?」
「私の荷物持ちになってください」
「………………めんど」
「してくれたらアルとの戦い、協力してもいいですよ?これでも私、アルに信頼されてるんで」
「………………はぁ」
ため息を一つして立ち上がる
めんどくさい。が、裏社会特有の何かを見て少しだけ感情が動く
信頼されてるからって、まんま騙す奴のセリフじゃねーか
鷹野の一人娘の前に立てば、裏社会の奴顔負けのあくどい笑みが俺を見る
笑うってのは戦闘中とかにしかしないから、できるだけ声を出すことにした
「……その話、ノった」
「交渉成立ですね」