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遊也side


遊びで何が一番好き?そんなの全部だよ!
どんな遊びでも僕は好きさ。過去に一回、これほどってないほどの屈辱を味わされたけど遊びはだーいすき
そう、どんなコトでも、ね?

「死ねぇええええええ!!」

後ろから飛んできた標識をギリギリで避ける
地面にめり込んだ棒の先は普通なら抜けないんだろうねぇ

ここがどこだかわかっていないのかな?半分本能に呑み込まれてる頭じゃ判断できないのかもね!
そうしたのは僕で、そしてそのバケモノが僕を殺しにかかるような気を纏って遊んでくれるのがすごく愉しく笑う
その笑みが嫌いなバケモノは学ランの裏から二本の鉄パイプを出した。あ、これ本気で来る気だ

面白いなぁ
もしもこの近くに全く関係ない人がいてその人を傷つけたらこのバケモノはどうなるんだろ?
発狂するかな?冷静になるのかな?

それとも唯一の繋がりであるあの子に懺悔するのかな?

「鬼さんこちら♪手のなる方へ♪」
「ああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

叫びが咆哮に変わる
その殺意の目にゾクゾクしながら後ろへと逃げていく
前を見るとふらり、小さい子が見えた。僕はニヤリと笑って一足先にその子に近づく

その子が気配で僕に気付く前にくるりと一回転
凶器を振りかぶってくるバケモノの前に差し出した

「―――っ!!!?」

その子が僕じゃないと認識するや鉄パイプを手放してその子に抱きついた
それはバカ気た芸当で、鉄パイプは加えられた力のままバケモノにぶつかる
ゴンッと鈍い音。あーあ、バケモノの力を自ら浴びるとかつまんないのー

鬼ごっこの鬼が沈んじゃったら誰が次は鬼になってくれるんだろ
そうだ!バケモノが覆いかぶさってる子を見て僕が鬼になるか逃げるか考えよ!
新しい遊び相手にするため動かないバケモノを蹴って避けさせる。黒髪のその少女は放心してるみたいだった
……あっれ〜?この子……

袴というのかな?とりあえず子供にしては似合わしくない服装にその髪型や顔立ちは見覚えがあった
そっかそっか。バケモノは……影はこの子に会いに来たんだ

僕はしゃがんでその面白い存在と目を合わす
あの時見た時は金色だったと思ったけど、勘違いだったと思うほど黒い目に僕が映る。崩れない自分の笑みに訳の分からない笑いがこみ上げてきた

「やぁ。久しぶりだね?この前は影がうまく逃がしたけど商売敵ってきたなら君を捕まえても文句はないよね?」
「……あ」

今日はなんてついてるんだろ
影の遠出についてきたかいがあったってもんだよねぇ……


遊也side end

  


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