現とカトちゃんと談話しながら他のメンバーを待ち、そして集合時間ぴったり五分前
一人は暑苦しくない程度にきっちりと服を着こなして、もう一人は白衣のままやってきた

「よし。今日も時間通りだ」
「くそ……何故俺もなんだ……」

やっぱりというか、五分前行動を体で表したというか
そこにはかきも一緒というのは最早お決まりなのか

当然と言わんばかりの顔の義清によほど大切な実験でもしていたのかいつもよりクマがひどいはかきが詰め寄る
好奇心が満たされてる最中に邪魔されると怒るよなぁ、はかき
でもまぁ、今はそれより

「よっちゃん。はかきにかけてる手錠を外せ」
「そのあだ名で呼ぶな。……何故だ?外したら逃げるだろ」
「いや今の状況見ろよ!?周りの視線が痛いんですけど!?」

右からも左からも周りの人がこそこそ話している
内容は聞こえないけれど目線の先ははかきの手錠。そんでもって義清とはかきも
……こいつ、本当に常識ねーな

はかきは暑いのか日陰に入ったまま出てこない
それを見て義清も逃げないと分かったのかやっと手錠を外してポケットに入れた
てかポケットに入れんなよ。なんで常備してんのこいつ

「はかき、大丈夫か?お茶やるよ。生ぬるいけど」
「影さんのおち「言っておくけど未開封だぞ」……」
「……ふん。どうせなら貴様を解剖させろ」
「それは無理」

そんなに汗をかいていないはかきは、それでも元が元だからか生気がみえない
力なくオレからペットボトルを受け取って飲むけど、そんなに飲まなかった
……こいつ、熱中症になるんじゃね?

すっごい心配だけれども残りのS組といえば先輩たちだ
あの三人が来た次第、すぐ建物の中に入った方がいい「あの先輩共なら来ないと思うがな」

「……え?」
「はかき。先輩方がいらっしゃらないとはどういうことだ」
「なんだ貴様等、知らなかったのか?差出人不明と書いてあったが、辿ればすぐ理事長だとわかるぞ」
「いや、それお前だけ。ってマジかぁ……じゃあ先輩たち来ないかもな」

はかきからの情報に思わずガクリときた
この際、差出人が理事長なのはどうでもいい。あの人の頭の中はよくわからないから
けどそのせいで先輩たちの行動がわかんないや

先輩たちは理事長が大っ嫌いだ
特に遊也先輩。なんであんなに嫌悪してるのかわからないけど遊也先輩が一番嫌ってる
最初はあの先輩が!?と思ったけど理事長が絡む度に遊也先輩が珍しく本気で嫌そうに顔をしかめるからそれほどなんだってよく分かった
理由は未だにわかんないけど、そんな遊也先輩を筆頭にして勇士先輩も雪先輩も嫌ってるのは周知の事実

「えー、理事長だったの?だったら僕もこなきゃよかったかも。でも影さん〜」
「オレも来たくなかったよ。理事長苦手なんだっての」
「……朝霧影。お前が先輩たちを呼び出せ」
「え……いや、オレあの人たちの連絡先知らないんだけど」
「この際集合時間に間に合わなくてもいい。だが、S組集合だけは守ってもらう!!」
「めんどくせぇ」

きたよ、学級委員長としての仕事顔
義清はそういう融通きかなさそうなところを何とかしろっての

なんかブツブツ言いだした義清にカトちゃんが話しかける
義清とカトちゃんは従兄妹だから義清もそんなに強く言えないみたいで、少しだけ柔らかめに考え出す
しっかし先輩たち来ないのかー。もうこのままどっかに言った方がよくね?

「ねぇ影さん。もうこのまま二人でどっか行こうよ」
「黙れ変態。オレはどうやって先輩たちを来させるか考えてんだよ」
「……化物。貴様はあの先輩共に来てもらいたいのか?」
「化け物いうな。……来てもらいたいというか、もうここまで全員集合したしなぁっと思って」
「ふむ、なるほど。だそうだぞ」
「……ん?」

なんかおかしい
はかきの方を振り返ってみると、はかきの手にはスマホが……ってことは……

「お前先輩と連絡取れんならやれよ!!」
「いや、来たくないと言っていたのでな」
『バケモノに来てほしいって懇願されちゃったなら行かないとね〜』
「誰も懇願してねーよ!!」

いつの間にスピーカーモードにさせられていたのか知らないが、スマホからクソ先輩の声が聞こえてきた時点で怒りしかない
ふざけんな!!早く来いよ!!

最後にあの妙に癇に障る笑い声を残して通話は切れた
先輩は切り際に『ちょっと時間がかかるけどいくらバケモノでも待てるよね〜?』と言われたのそのケンカ買ったと待つことにしたのは当然
どっかで飲み物買っておこう




――30分後――

そんなに暑くなかったけどマジであり得ない
集合時間から30分後に先輩たちは別々の方向から歩いてきた
それはもう、優雅に

「走って来いよ!!何分遅れてると思ってんだよ!?」
「え〜。だってぇ、来たくなかったんだもーん」
「……ねみぃ」
「ファンにつかまっちゃったんですぅ」

だからって、なんでそんなにゆったりと歩いてくんだよ!!
あと雪先輩はそんだったら顔を隠せ!!なんでこの人たちはこうも自分勝手なんだ

やっときた先輩たちに義清と一緒にどこに行くか決める
はかきがばてる寸前だから建物の中となり、それじゃあどこに行くかとなる
うーん……

「お金ないけど……ゲーセン行って本屋……」
「行くわよ!!」
「影さんのために!!」

最初に行くところはゲーセンになった
……いや、金なくなんだけど





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