雨の音がする
聞こえたてきた雨の音に、目が覚めた
ここ最近、季節的に雨が多いけど勘弁してほしい。雨はあまり好きじゃない

起きて早々は頭が回らないけど動いてテレビをつける
最新式の薄く小さいテレビの画面には、本日にも雨とそれなりに綺麗な天気お姉さんが説明していた
湿気を含む空気のせいで壁に水滴が付いたりするから勘弁してほしいんだけどなぁ……

学ランに着替えて鞄と傘を持つ。玄関のドアを開けて出た外は、風はないものの雨の量は多い
風がなくてよかったと思うけど……雨もない方がいいかな

「おや、おはよう影ちゃん。これから学校?」
「おはようございます宗人さん。宗人さんは……今日もジャージですか」
「あははは………いや、着替えてはいるよ?」

隣人である宗人さんは苦笑しているんだろうけど、そんな宗人さんの顔はいつも通りわからなかった
宗人さんの顔はいつもお面で隠れているから

濃い青色で知らない模様が塗られている白いお面をいつも宗人さんは付けている
そして何着か持っていると言う同じジャージも宗人さんのトレードマークだ
謎な人である宗人さん。女性であり、常に似たような格好でいるというのがオレが確信を持って言えることだ

「大丈夫です。わかってますよ」
「うん……そういえば今日は一日中雨らしいな」
「そうらしいですね」
「雨は嫌いなんだけどねぇ……臭いといい、空気といい」
「湿気ありますしね」
「あー……そんなもんかな」

曖昧な返事で空を見上げる宗人さん。……見えているのだろうか?
今日一日雨っていうのは気がめいる。けど学校を休むなんて緊急時以外は絶対に嫌だ
早く学校に行こう

傘を広げて階段の方を見る
あ、そうだ。宗人さんにあいさつして行かないと

「宗人さん「影ちゃんは、雨が嫌い?」……?」
「いや、ちょっと気になってね」
「はぁ……オレはあんまり好きじゃないだけですね。洗濯物とか乾かないですし」
「そっか。……嫌ってるのは影ちゃんじゃない、と」
「……え、どこ見てるんですか」

宗人さんは確かにオレを見ていると思うんだけれども、やっぱりお面のせいで視線の先がわからない
それにさっきの呟き怖いんですけど。なんですか?何かいるですか?

……いませんよね!?オレの周りに何もいませんよね!?
そんなオレの焦り?を感じ取ったのか宗人さんが慌てて言ってきた

「いやいやなんでもないよ!?ごめんね?影ちゃん、ホラー嫌いなのに意味深な事言っちゃって……」
「だ、大丈夫です!!オレはほらーなんかこわ、怖くありませんよ!!」
「あー……ごめんね。うんうん。私が悪かった」
「いえだいじょ「あ、学校の時間間に合うのか?」……やっば。行ってきます!!」
「いってらー。足元に気を付けてねー」

傘が壊れないように力加減をしながら走り出す
どうか遅刻だけは免れますように!!










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