悪いも良いもわかる俺が異名を付けられるなんて、意味がわからない
それを一度、キカイに言ったらこう言われた

『完全で完璧な人間など、私は存在しないと思いますがね』

ある意味、あいつの嫌味だ
俺は人間じゃないと言いたいんだろう

俺は別に完璧になろうとしたわけじゃない
隙をなくし、信用を得るため、俺は今の俺でいるのに
なんで人間以外と言われるのだろう

俺は普通だ
普通でいなくちゃいけない
約束したのだから。俺が代わりに普通でいると

そしてそのために俺は生きている
普通に、生きていないといけない
そうしないと、あの化け物はもっと壊れしまうから
壊れると、知っているから

例え俺の手が汚れようとも
俺は普通を装い生きていかなきゃいけない

「星ー、帰ろうぜー」
「……ああ」

荒に返事をし、向かう
よくよく考えたら、臭いも染みついてるかも。……服変え損じゃん

薄暗いこことは違い、明かりが見える。多分、表の道
俺はそこに戻ったらまた演じる
笑みを浮かべ、隙を見せず、俺は完璧でいる




狂ってしまえば楽なんだろうか
何も気にせず堕ちてしまえばいいのだろうか
そう簡単にできないのは

化け物になるしかなかった姉がいるから





prev/next


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -