【偽人】
人の姿をした偽物という意味
人の姿をしているけれども、中身には気を付けたほうがいい
それは人であって人ではないから



何処の誰かがつけたのか定かじゃないけど、俺はその異名を知ってる人からは偽人と呼ばれるようになっていた
とても不愉快だ。表には出さないようにしてるけど、その名を呼ぶ奴がいるというのはとても不愉快でイライラが増す

この町で異名というのは異常者という証ともいえる
その異名を付けられたんだ。怒ったって悪くない
俺は、普通なのだから。普通でいようとしているのだから。

異常だなんて、なんのつもりだろうか

こんな異名がついたのも、俺の周りが悪いのかもしれない
キカイは【氷の姫】という異名を持ち、荒は【荒波】と異名を持っているからね

由来や意味はよく知らないけども、それなりに有名なのは知ってる
後、キカイのそれは母親、荒は元々の生活が関係してるらしいというのは知ってるけどやっぱり興味はない

「終わりました」

合流してきたキカイは、赤く染まっていた
姉ほどではないけども俺も赤は苦手なためそれを見ただけで気分が悪くなってきたや。ついてない……

隣で何故か荒はキカイを凝視してる
……ああ、そっか

白い肌にかかった赤は、どこか官能的な雰囲気をかも出している
今回キカイ来ていた服もちょうど赤に似合う白が強調された服で、どこか人形地味でいると思ってしまう
それに加え、キカイの手には平和な日本ではありえない小刀。それはキレイに、一定のリズムで血を滴らせていた

狂気的な中にある官能的で艶やかな何か
それはどこか、誘っているとも言えるのかもしれない
それに引っかかり冷たい攻撃をくらって堕ちていった奴らを、俺は知ってるから恐怖にしかないなけどね

「折角の服が汚れてしまいました。主が綺麗と褒めてくださった服でしたのに……」

そういう、少しだけ落胆するキカイ。きっと主と慕っている俺の姉が関係しなかったら微塵もそんな表情を出さない
キカイは姉を慕っている。あの姉を

美しいと、姉の何かに魅かれ、姉を慕っている
……本当に、慕っているから姉を主としているのかは怪しかったりするのはこの際置いておく

「ここの処理はどうすんだ?」
「知人に頼んだからさっさと帰るよ。あー……服は換えないとね。それ目立つから」
「裏を行けばいいじゃないですか」
「俺がイヤだ」
「今の電雷さん、すっごいキレイだからやめといた方がいいと思うっすよ?」
「服なんてありますかね……」

荒の発言を無視し、服探しをするキカイにため息が出る
追剥?追剥ですか?犯罪じゃんかよ





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