惨劇の後に残るは生きてるか死んでるかも確認できないほど倒れてる奴らと
横倒れになってるパイクに座ってる勇士先輩
大分戦闘狂みたいなのは収まったみたいで、何をするわけでもなくぼーっとどこか見てた

血を見ないようにか
モノクロの視界のまま先輩に近づく
関わりたくないけども先輩が怪我をしていたらと思ったら足が勝手に動いた
それぐらいになるほど、この先輩とは関わったのかと思うと自分に呆れる

「……先輩、怪我ありませんか?」
「……酒………飲む……治る……」
「それは絶対ありえません」

酒飲んで傷が治るか!!んなの絶対ねーよ!!
やっぱこの先輩の心配とかしなくてもいいよ絶対

何も言えないオレにはもう何も感じないのか、先輩は立ち上がって校門のほうに歩いていく
まだ授業があるけども寝てばっかだから受けても意味ないだろうし止めない

見送る体勢で先輩を見ていたら先輩がオレを見てきた
モノクロの視界でもわかる笑みを浮かべて

「次はてめーを殺す」

凶悪な笑みってこういうことだろうなー
現実逃避とも取れることしか頭に浮かばない

そんなオレを気にせず元の無表情に戻った先輩は今度こそ校門に歩いていった
完全に先輩の姿が見えなくなったとき、力が抜けて腰から落ちた

危なかった
あの時この人たちには悪いけど来なかったらオレがやっぱり相手をするはめになっていたんだ
先輩にとって質より量を考えたらでこの人たちが選ばれただけで

まだオレは先輩の標的から外されていない
それは何時でもあの人の気分次第では殺されかけるということ
背筋がぞっとする

誰だよオレのこと最強の不良とか言った奴
オレはこんなにも怖がってんだぞオレより上の人に

「…………教室、戻ろ……」

まだうまく力が入らない足腰を根性で動かし歩き出す
何時か必ず、あの先輩の標的から外れればいいと願いながら

そういう願いほど神さまって聞いてくれないんだけどな










「ふぅあ…………眠ぃ」
「あれあれ?お帰り〜。お散歩でも行ってたの〜?」
「…………」
「学校?へー珍しいねぇ。なになに?楽しい事でもあった?」
「…………少し」
「くすくす、それはそれは良かったね〜。けど君の感じだとあのバケモノは殺せていないみたいだ」
「…………」
「ああ怒んないでよ。いやいやね?僕はすっごい嬉しいんだよ!まだあのオモチャが壊れていないってことが!僕の言った通りあのバケモノは持つでしょ?君の暇つぶしになるでしょ?」
「……ああ」
「くすくすくす、さてさて次は僕が行きますか。久しぶりにバケモノと遊ぼう!オモチャとしての性能を確認するのも楽しいからね〜」
「……」



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