【無情】
無口無反応無情
何に対して無がついてしまいそうなほど無関心
唯一気を向けるのは戦闘だけ
加減を知らず、相手が死に至ることも
そしてこの町一番権力を持ってるヤクザの頭で、双子とはしゃべらなくても意思相通ができるらしい
刃向ったものは全員帰れない。生きて、帰ってこれる保障はない
全員、あいつの髪と目のように赤く赤く染まってしまう




狂乱家っていうのはこの町一番の力を持つヤクザの家だと忘れっぽいオレでも知ってる覚えてる
そんでもって、そこの頭になったという双子とオレは関わりを持っている
その片方が、勇士先輩

「…………眠い」

機嫌が普通、または悪いときほど無口なのに声に出して独り言を言うってことはそれなりにいいのだろう
表情とかはモノクロだとちゃんとわかんない

オレは、赤色が嫌いだ
それはもう体に刻まれたようなもので、意図しなくても赤は見えないようにされる
そんな感じで、だからオレは本能的何かを感じ取ると視界がモノクロになるんだ
これは病気と呼ばれるけど、どうだろうか

全部の原因は……うん、面倒だしまた今度
今は何よりも勇士先輩を警戒しなくちゃいけないから

沈黙は気まずいけれども、無理に話して先輩の気を悪くしたくない
先輩は素手でやる……つまりはオレと同じような戦い方だけどもその力はオレより上だと思っている
運良く勝てるのは、オレは先輩みたいに本能ばかりでやってるんじゃなくて時たま頭を使ってるってこと

「………朝霧影」
「な、なんですか?」
「…………酒……」
「……」

消え入りそうな声で言われたのは先輩の大好物だった
学校に酒なんてねーよ!てか真昼間から飲むなよ!

「……ありません」
「…………」

特に反応はなかったけども絶対その心の中では酒欲しいと思ってる
ん?二十歳までの飲酒禁止?あー……ここだけの話、雪先輩と勇士先輩とあと一人の先輩は留年してるだけでもう成人しているのだ

五年か四年か。忘れたけども三人の先輩はそれぞれの理由で不登校になり、理事長は本来ならばありえないけども留年という形で三人の先輩を卒業させなかった
それでなんやかんや、オレが高一の時に先輩たちと交渉とかいろいろしてやっと出てきてもらったのだ
……まぁ、正直いって面倒事しか持ってこないからそのままのほうがありがたかったかもしれないけど

同じクラスだけども三人は年上のためオレを含めた奴らは先輩呼び
しない奴もいるけどね。ハッカーとか

「……酒……」

まだ酒に対する思いが消えないのか呟いてる勇士先輩
この先輩にとって酒は主食ともいえるし、酒さえあれば生きていけるほど主な主成分は酒なのではと思ってしまう
けど体頑丈なんだよ。運動能力も高いし体力ありすぎるんだよ

……この人よく生きてられるよな。オレでさえ三食ご飯は食べるし早寝早起きしてるし
十時には寝て五時には起きる。低血圧みたいに朝は怠いけどそれぐらいはできる!

「…………朝霧影」
「な、なんですか?」
「……」

無言になった
いや呼ばれたのに言われないとわかんないって。本当にこの先輩は読めない
てか先輩たちは読めない。考えることがいつも常識離れみたいな独特の考えだし

睨めっこするみたいに勇士先輩もオレもただ見合う
勇士先輩はぼーっとした感じに見てるけどオレは気が抜けない
この状況なんてかして!!




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