バリィイン!!

「……」
「!?」

体があんまり動かせないからよくわからないけど、ガラス……窓が割れた見たいで音が響いた
ここは一階じゃないのに何が……

「……貴様か」
「貴様って、僕これでも君より先輩だよ?」
「5年間不登校していて本来ならば退学というところを留年だと言うのならば同い年と見ても差し支えなかろう。……しかし、貴様の髪の色素。奇抜で遺伝子学上有り得ない故に興味をそそる」
「くすくすくす、ありがとう。僕この髪の色好きなんだよー」

ハッカーが目を向けた方、オレの背後には残念ながら顔を向けられないが会話で聞こえてきた声に余計な恐怖心が募り出した
ハッカーには解剖されかけるし、オレの苦手な先輩には会うし、ついてない!

「今ついてないって思った?かーげー」
「!…い……いえ……」
「そういえば薬盛られてたんだっけ?くすくす、最強のバケモノが滑稽だね!」

何が面白いのか。オレの後ろで声の主は声を張り上げて楽しそうに言う
気違い過ぎだ。一体なんなんだよ

我慢できないのか「くすくす」と笑い声が続いていたと思ったら急に止まった
それと同時にゾワゾワしてひんやりするような空気が後ろから流れてくる。一気に鳥肌が立った

「最強のバケモノが解剖されるのも一興なんだけど〜、一応それ僕のオモチャなんだよね〜。しかも僕の片割れも気に入ってる最高のオモチャ♪……ねーえー、言いたいことわかる?」

誰がオモチャだ
そういいたいけど言えなくて黙っていると、オレの視界の中でハッカーの顔色が悪くなってく
本人は表情までは変えてないので本能が動いたのか。どちらにしろ、今の状態じゃハッカーは不利だ

「……はぁ、折角化物を知れると思ったのだがな」
「ダメだよ。いくら彼女でも致命的な傷は自己回復できなくて死んじゃうさ。まぁその死に際を見てあげるのもゾクゾクして興奮するけど」
「では貴様を調べさせて貰おう。その髪といい目といい、遺伝子構造としては不可思議だ」
「くすくすくす、僕を殺ろうなんて百万年以上早いよ」

冗談の言い合いのように(本人たちは真面目に言ってる)和やかな空気に戻りつつある中、オレの身体は段々と治ってきた
その証拠に体が動かせる。あと少しで自由に動けるっところまで来た

あと少し、あと少しだもうちょっとで足が――

「あ、もうその体はその薬になれちゃったの?あと少しで足に力が入るだろうね〜」
「!!」
「ほう……やはり興味深い身体だ。肉体から神経、全てにおいて興味が惹かれる」

気付かれた!
オレの背中に注がれる二つの好奇の視線。オレは何も言わない
早くこの状況から逃げ出したい。それだけしか頭の中になかった

「くすくす、僕はそろそろ戻ろうかな。そうそう、割ったガラス代はこれね。裏のきたな〜いお・か・ね♪」
「金に汚いも綺麗もないだろ。使った紙幣は巡り続けるために裏も表もない」
「それもそうだね。お金なんて結局は人の欲の具現化だ」
「欲?欲による具現化とはまた随分と事実が伴わない表現だな」
「事実だよ?お金がなければ人は狂うしあっても狂うからね。ああそうそう」

ハッカーたちが話してるうちにさっさと逃げようとしたら背後からの気配が近づいてきた
すぐさま離れようとしたら頭をテーブルに打ち付けられた

「がはっ」

ガンッてなった!痛い!頭なんてこの前やられたばっかなのに!
軽い振動で眩暈がし出す。ゴリゴリと力加減無しにおでこをテーブルに擦り付けられて摩擦で熱くて痛い

「くすくすくす、僕から逃げようと思うのは君みたいなバケモノ風情だけだよ。この学校にいる以上多額のやり取りって禁止でしょー?君がどっかに吹聴するわけないだろーけどー、あのクソ理事長にバレるのはごめんなんだよねー」
「あが、つっ」
「痛い?痛いようにしてるんだから痛がってくれないとちょーっと困るかな?面白くないもん!」
「……テーブルやデータの書類には血痕はつけないで貰いたい」
「はいはい。それじゃー、意識失っちゃおっか?」

首の裏辺りにバチッとしたのが来たと思ったら目の前が暗くなった

意識を失ったんだとわかって、戻った時には教室にいた
鏡で首の裏を見たらなんかの後があった。……あの先輩、電気系の武器でも持ってたのか?





―――後日

「……よく貴様は毎回毎回同じ目に会いながらも俺のところに来るな」
「安全地帯一応ここだし、現やカトちゃんに比べたらお前の直接的攻撃ないし、……第一対等な会話できるのお前とかだけだし」
「なるほど。貴様の脳は俗に言う単細胞と言うのがわかる発言だな」
「誰が単細胞だ!」
「それはそうと、貴様に衝く傷とはどれぐらいの程度により治る速度は比例するのだ?実験させろ」
「ヤダね」




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