オレは今、全速力で走っている
理由は簡単だ。今日が風紀委員による服装検査だということを忘れていたからだ

別にオレの服装が悪いのではない
念輪の服装は特に定まってなく、学ラン、ブレザー、私服とかの枠で規制されるのが違うだけ
オレや一応いるオレの舎弟はちゃんと守っているので本来ならんなのに引っかからない
けれど、よりにもよってトップにたつのは異名持ちの厄介な奴

「ああああああああ!!」

学校に行く道の最後の角を思いっきり曲がる
ズザザザザッと音が足元でなったので、もしかしたら靴底が減っていったかもしれない
また買うと金が飛んで行く……

校門にはそれなりに多い登校してる生徒。校門には片方ずつ風紀の腕章を付けた奴が数人いる
……よし、アイツの気配なし。ついでにオレの部下無し
強行突破だ!!

「どけぇええええええ!!」
「おい!朝霧影だ!」
「委員長の言いつけ通りここを通すな!」

普通の生徒は端に避けたが肝心の風紀委員がオレの前に立ちふさがる
ちっ、異名持ちじゃないくせに!!

「邪魔!」
『うあっ!!』

なるべく怪我しないよう殴りかかる
それだけの風圧でよろめいた風紀委員たちに隙ができた
そこから突破―――

「お前らそれでも風紀委員か!」
「げっ」

頭上から風を切る音が聞こえ後ろに跳び退く
オレが今までいたところには何かが当たって砂埃をあげた
良く見えないが地面にヒビがはいってる

「ちっ、避けられたか……」

男が上から落ちてきて、地面に綺麗に着地する
きっちりと整った服のホコリを払いながらも、その片手には高校生が持つものではない物が握られていた
それはキラリと光を反射し、オレに向けられる

「ここで会ったが百年目。神妙にお縄に付け、影!!」
「どこの時代錯誤?そんなんだからダメなんだよよっちゃん」
「よっちゃん言うな!」




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