【麗しの貴公子】
母は外人。父は日本人。ハーフで金色に近い髪と水色の目がチャームポイント
家は金持ちなので御曹司。社交的で笑顔は誰をも虜にする
成績優秀、運動抜群、容姿端麗。よく言う完璧に――

なんでオレがあいつの紹介しないといけなんだろ
しなくてもいいと思うし、第一この説明間違ってるだろ
おい誰だよこの説明っつーか噂流したの

オレはげんなりと、教室でイスに座ってる
無表情と言われてるオレの顔は今だけ死んでるだろう
それだけに、目の前にいる奴はオレの天敵だ

「影さん影さん。鏡に水をかけるなんてダメだよ。帰ったら乾いてるかもしれないけどちゃんとキレイにしなよ」
「……今日は鏡に仕込んでなかったのか」
「あとあと、いつも僕の隙をつくように行動しているのに今日は着替えが先だったね。もうホント、急に着替えるから驚いちゃったよ。でも……ちゃんと胸は保護しよう?」
「セクハラで訴えぞゴラ」
「栄養の偏りもダメだよ!本当は僕が朝ごはん持って行っててもいいけど……今日は影さんの牛乳を口から垂らしちゃったところはすっごくキタからいいや!」
「クソが死ね」
「ほらこれが証拠写真」
「燃やす!」
「別にいいけど家にファイルあるよ?」
「売って!」
「黙れそこの変態二号!てかマジ死ねえええええええええぇ!」

ゼーハー息を切らす。ダメだ。こいつと話してもラチあかねぇ
オレの目の前でニコニコと変態――現はただオレを見てる

「ああもう、恥ずかしそうに赤面する影さん可愛い。ちょっと待って。今撮るから」
「撮んな!」

違った。なんかカメラ構えやがった
頬を違う意味で染めるこの変態は救いようがないってとうの前に諦めてはいるものの、こいつのせいでオレのプライバシーとかが全然ない気がする
てかもうホント、こいつくたばってくれないかな?

「ちょっと現〜。私にも影の着替え写真寄越してよー」
「ヤダ。これは僕のオカズ「なぁ、どこ殺られたい?」ヤるなら僕が上「ちょっとは黙れよ歩く18禁」」

「それは影さんだけ」とかほざいてる変態を睨み舌打ち連続する
なのに余計恍惚の笑みになりやがった。うわ……キモッ

現は何故か知らないがオレに好意を寄せてくる。あのホの字ってやつ?なんだそうだ
オレにとってはある意味迷惑だ。イケメンなのはまだいい。けどな、変態はお呼びじゃないんだよ

こいつの発言は全て犯罪もの
ストーカー、盗撮、盗聴、オレの私物を盗む……ext。他には……18禁行為を普通でしてくる
ロリなのショタなのって訊けばオレだけって言うし……もうホント、こいつだけはどうしても嫌だ。身の危険をマジのほうで感じてしまう

「影さんの寝顔……ゾクゾクする」
「……違う表情を見たキャラがそういうセリフ言うのはあったけど、お前の違くね?」
「無防備の影さんは襲いたくなるよ」
「誰か警察呼べー」

こんなやりとりだって中学で会ってから当たり前になりかけてる。慣れって怖いわー



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