危注

従姉妹・従兄弟

※幼い頃の時乃と義清の会話文


義清「……」
時乃「……」
義清「むくれていたってどうにもならないぞ」
時乃「……うるさい」
義清「……相手は初めて会ったんだから容姿を褒めるのも当たり前だ」
時乃「うるさい」
義清「……」
時乃「……そんなんだったら私、ブスがよかった」


義清「……時乃」
時乃「なーに?よっちゃん」
義清「そのあだ名で呼ぶな。……お前、また貢がせるだけ貢がせたな」
時乃「ちがうわ!私はほしいなんて言ってないのに寄越してきたのはあっち。受け取らない方が失礼でしょ?」
義清「……」
時乃「もう、いいわ。どいつもこいつも私の外しか見ないなら、私は中をブスにしていくもん」
義清「……」


時乃「私、よっちゃんのこと大っ嫌い」
義清「……」
時乃「いっつも決まり決まりって、それじゃあ真実だって見えなくなるわ。毎回毎回、パーティーでよっちゃんの父さまが決めたご令嬢の相手ばっかり」
義清「逆らう意味がわからない」
時乃「だから、私はよっちゃんが嫌い」


義清「……時乃」
時乃「………」
義清「……」
時乃「……帰ってよ。カタブツよっちゃん」
義清「せいしきめいしょーみたいに言うな」
時乃「……」
義清「……泣くなとは言わない。……なくならせめて、声を出せ」
時乃「……なにそれ……」
義清「子供らしい泣き方だ」
時乃「……うう、うぁあああああああん!!私だって、私だって!こんな姿に生まれたかったんじゃないもん!!キレイでいたくているんじゃないもん!!どうせ、どうせ中なんて、だれも、みて、ああああああああ!!」
義清「……」

時乃「……スヤスヤ」
義清「(泣疲れて寝た……このままだったら子供相応でいいと思うんだが……)」
時乃「……んー……」
義清「賢いお前にはこの世界は合わないな」



賢いからこそ金持ちの世界に順応できない時乃と賢いからこそ金持ちの世界に順応する義清


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