ごめんなさい弐






真っ白な部屋で目が覚めた

白いベッド

白いカーテン

白い天井

窓から見えるのは青い空








胸を撃たれた事は覚えてる









そっか…私死んじゃったんだ…

そりゃあ胸を撃ち抜かれたら死ぬわね




……ナギに謝れなかったなぁ…

…せめて…ナギは幸せに…




「ん……」



…?


「んっ…?…陽…?……陽!!…良かったっ!!陽っ!!!」



いきなり誰かの腕に抱き締められた


この懐かしい匂い…




「…ナ、ギ?」



腕が離れ、涙でぐしゃぐしゃになった
最愛の彼


ナギの顔が私の瞳に映る



「…生きててくれて…ありがとう」








そんな事……喧嘩してたのに
こうやって言われるなんて、変な感じ


どうやら私は倒れていた所をエンラが見つけてくれて、魔導院に運んでくれたらしい

ナギは必死にケアルをかけてくれて
ずっとこうして傍にいてくれたみたい。




「…ごめんね、ナギ」


「謝んなくて良いよ…俺も悪かったんだから…」



いつもの調子でニッと笑う
その笑顔が とても


愛しい




「でも…これだけは覚えとけよ……俺にはお前以外目に入らねぇから」


「…うんっ…私も…私もナギだけだよ…!!」


知らず知らずの内に涙が溢れてくる

そんな私の涙を拭って
ナギは何やら箱を取り出し、私の左手を取った

箱の中から取り出したのは



ペアリング



「陽…卒業したら……俺と結婚しよ…?」


いつものナギとは想像もつかない程
真っ赤になって震える声
でも視線はしっかりと私を捕らえている










「……はいっ…!!」














二人で泣き笑いして
お互いの左手薬指にリングを嵌めた


「陽…愛してる」


「私も……ナギを愛してる…!!」
















鶲歴842年
水の月 24日


朱雀にまた1つ
強い絆を持つ恋人が
歴史を刻んだ





END

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