日常!日常?

「緑ちゃんー! おっはよう」

 私は食卓へと向かう緑ちゃんの背中に声をかければ緑ちゃんは振り返り、爽やかに笑みを浮かべた。
ああ、今日も世界は眩しい。

「ああ、おはよう。今朝も早いんだな」
「そんな、緑ちゃんのほうが早いよー朝にトレーニングだなんて、私には無理だよ」

 私は緑ちゃんの横に並び歩調を合わせて歩けば、緑ちゃんはそれに気づいたように私に合わせて少しゆっくりめになった。
ああ、もう本当緑ちゃん結婚してください!
 私は少しにやけた顔を手で引き伸ばせば、緑ちゃんは少し驚いたように後ろへ一歩下がった。

「緑ちゃん達、おはよう!」
「おっはよう球人」
「二屋か、おはよう」

 球人は、小走りで私達の方へと来れば後ろや横やと世話しなく周りを見渡す。

「どうかしたの?」
「竜くんはまだなのかなって思って」
「ああ、竜くんならあっちで鼻血だして倒れてたよ」
「ええ!? また何かしたの!? 駄目だよ仲間なんだから仲良くしなきゃ」

 球人は私の服を掴めば前後に揺らし、うるんだ瞳で私を見てきた。
 今日も可愛いな、そんなことを思いながら頭を撫でれば、球人は少し目をトロンとさせる。まるっきり母と子供の構図じゃないか。
 いや、待て。ってことは隣の緑ちゃんは旦那!

「いい、それっていい」
「何がだ」

 撫でくり回しつつ、想像をしていると緑ちゃんはすかさずツッコミを入れてきた。
 それにハッと我にかえり、球人を撫でるのをやめ変わりに頬に手をあて顔を近づける。

「球人、いい? 私以外にも竜くんには恨みを持っている人はいるの」
「でも大半は……」
「シャラープ!」

 声を張り上げ、球人の言葉をさえぎれば、球人は少し目に涙を浮かべていた。

「……可愛い、じゃなくて。よし、ならわかった! 私が竜くん連れてくるよ、だから球人は緑ちゃんと先に行ってて?」

 球人の頬を離し、背中を押して言えば、球人は顔を輝かせて頷き、緑ちゃんを連れて食卓へと向かった。
 私はそれを見送れば後ろに居る竜に話しかける。直ぐ様竜は角から出てきて、威勢のいい声をだした。

「別にな、俺は出ずれえ、とか思って隠れてた訳じゃないんだからな!」
「ああ、はいはい。わかったから」

 私は軽くあしらえば、竜はまだ不服そうだったが黙りこんだ。

「んで、今日は何を見たの?」

 私の言葉に竜は体を一瞬びくつかせた、その姿に胸が踊り出しそうだ、自然に顔もにやけてくる。

「緑ちゃんの裸体か? それとも下着か? まだまだ青いな」

 竜は顔を赤くさせながらも反論しようと拳を握り、私へとふるってきた。
 しかし、私は直ぐ様履いていたスカートの裾を持ち上げ、自らスカートの中身を見せれば、竜は勢いよく鼻から赤い血を出し、その場に倒れこんだ。
 それを見届け、私は裾を離し、スカートを叩き、竜の襟首を掴み引きずる。

「だからー、青いっていうのよ。今時パンツぐらいで鼻血噴かないでよね」

 廊下に続く血のあとは、まるでナメクジが通った後のように真っ直ぐに食卓まで伸び。
 その後、先生の悲鳴が聞こえたのは言うまでもない。
(2007 02/28)
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