アニマル日和

※SOS団がアニマル化してます



 ピコピコと揺れる五人のしっぽ、正確には五匹だったというべきか。
 その姿なりは、小さな人の子だが頭にはそれぞれ獣の耳を、尻には尻尾をつけ、まるで私を誘うかのように振る。

「ちょっと、何見てるのよ」

 ハルヒは私の膝を小さな手で叩けば、ひょいっと膝に乗っかる。

「んー、ハルヒ今日も可愛いなって思ってさ」

 頭を撫で、抱きしめればハルヒは満足そうに微笑み腕を組む。
 彼女、ハルヒは私がつけた名前だが本名も涼宮ハルヒらしく皆からはハルヒやら涼宮さんと呼ばれている。
 彼女は元は猫だったのだが、ある日を境に人の子の容姿になり。最初こそは戸惑っていたが、案外満更でもないらしい。

「おいハルヒ、お前はそうやってしょっちゅう、こいつの膝の上に乗って……少しは控えろ!」
「別にいいじゃない、本人何も言わないんだから」
「キョンも乗りたいの? そうならおいでおいで」

 キョン、初めて会った時から本名を名乗らず、キョンでいいと言われ呼んでいるが、そろそろ本名が知りたい今日この頃。最初は私を警戒していたが、最近では少し懐いてくれた犬だ。しっかりものでこの中ではまとめ役になっている。
 どうやらハルヒと同じで、ある日突然人の姿になり。気味悪がられ家を追い出されたらしい。
 今では笑ってくれるが最初こそは本当警戒心むき出しだったな。

「キョンを乗せるぐらいならみくるちゃんを乗せるわよ」
「ふぇ、あのわたしは、その」

 ハルヒに引っ張られ来たのは、うさぎのみくるちゃん。
 本名朝比奈みくる、どうやらこの子も未来から遊びに来た所を巻き込まれたらしく、その原因がハルヒであることがわかり、どうしてこうなったか調べているらしい。
 この中では、マスコット的存在だ。
 しかし、未来ではペットも旅行するんだな。

「有希、あんたも来なさい! 古泉くんも」

 名前を呼ばれ、本を読んでいた顔をあげ有希は私の背中に回りポスンと寄りかかり。
 古泉くんは、微笑みを絶えず浮かべ「では、失礼します」と私の肩に乗り楽しそうに笑みを深くする。
 有希、本名長門有希、ハルヒと同じ猫だがその実態は宇宙生命体とのことで、姿は同じだが中は違うらしい。
 有希もみくるちゃん同様ハルヒを調べ監察して、新たな進化を見い出しているらしい。
 日ごろ無口であまり喋らないからな。
 そして肩に乗る古泉くんは、本名古泉一樹。みくるちゃんと同じ、うさぎらしいのだが。ハルヒの監察をかねて治療をする位置についているらしい。
 詳しくは話せないとのことで、私はまあ仕方ないかとひとまず見守ることにしている。

 こんな変な生活も、話せば簡単だが結構色々大変なことも多かった。
 だけど、今だからこそ言える。出来ればいつまでも皆と居たいと。

「明日はね、晴れるらしいから公園行くわよ!」
「おい、また泥だらけになるんじゃないだろうな」

 キョンは私の横に座り、ハルヒを呆れたように見る。
 外は今は雨が降っているが、ハルヒの言うとおり晴れるらしい。
 水溜まりが凄いだろうな。

「いいよ、洗濯なら大丈夫だから」

 キョンの頭を撫でれば、キョンは目を細めしっぽが激しく揺れる。撫でられるの好きなのかな。

「でしたら、ボール遊びなんてどうですか?」
「うさぎがボール遊びするなんて初耳だな」

 肩にしがみつく古泉くんに、キョンは皮肉たっぷりに言うが、古泉くんはそれをするりと交わす。

「うさぎもボールで遊ぶんですよ」
「なら、明日はボール遊びに決まり! 意義はないわね!」

 あっても受け付けないのがハルヒだ。皆一言も意義を申し立てない。

「有希はベンチで本読もうね」

 本を開け、見上げてくる目に語りかければ。しっぽを揺らし少しうなずいた。
 明日のためにてるてるボーズでも作ろうかな、と思った午後のことだった。

(2007 07/15)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -