お昼寝
縁側で、お茶をすすりながら空を見上げた。
空には雲が漂いその隙間からポカポカとした日だまりが私を暖め。少し肌寒く膝にブランケットをかけ、寝転がると自然と瞼がおりてきた。
耳には鳥の鳴き声が聞こえ、時々さわさわと木々が揺れる音が聞こえる。
いったい何分こうしていたのだろうか。遠くから足音が聞こえ、しばらくすると近づいてきた。
私は少し体に気だるさを感じながらも目を開け、そちらを向くとそこには潤が座ってこちらを笑みを浮かべながら見ている。
「そこで寝てたら風引くよ」
潤の手が伸びてきて私の髪に触れる、そんないつもの動作に何故か今日はすがりたくなった。
「うん」
乾いた喉から漏らした声に、一瞬ピクリと潤の手が動いた。
私はその手を両手で握りしめると潤は不思議そうに首を傾げて私を見る。
「どうかしたの?」
「潤、抱いて」
体を転がし潤にスリよるように腰に手を回すと、少し焦ったように潤は私の手をとった。
「本気で言ってるの?」
少し声を低くして言う潤に私は変なのと少し思いながらも頷くと、潤は私の指と指を絡めてきた。
「後悔しない?」
まだ渋っている潤に私は「ただ抱きしめるだけで後悔するの?」と尋ねると潤は目を見開き、あからさまにため息をついた。
そして私の手を離すと腰に手を伸ばし、すっぽりと胸に抱きしめられる。
「そうならそうって言ってよ」
少し不機嫌そうに言う潤に私は「言ったじゃん」と口ごたえすると潤は私の頭に顔をのせ、より一層私を強く抱きしめた。
「うん、もういいから。眠たいなら寝ていいよ」
私は潤の方に体重をかけ、ゴロンと二人して寝転がる。
その時少し見た潤の顔はほんのり赤く。それが少しおかしく、人知れず笑った。
「スケベー」
「はい!?」
何の脈絡もなくいきなり言われた言葉に私は顔を上げると潤は照れ臭そうに微笑んでおり。
私はジッとその顔を見ていると、潤は顔を近づけ私の額に口づけを落とした。
その一瞬の動作に私は口を金魚のようにパクパクとさせ、赤くなった顔で潤を睨みつけると潤は凄く楽しそうに笑い私の頭を二、三度撫でると、耳元で「おやすみ」と囁き。
私は潤の胸に顔を埋め、ドキドキと高鳴る鼓動に一人赤くなるのだった。
(2006 10/30)