第7話

 理樹が倒れた。
 ナルコレプシーである彼が倒れるなんてそう珍しいことでもなく。
 理樹が眠りに落ちる前に感じる光の瞬きと視界の歪みもいつものことだった。
 ただ一つ違うことと言えば、その継続の長さだろう。
 未だに目の前がチカチカするそれに、頭痛を感じ始めた。
 双子ゆえのシンパシーなどと非現実的な出来事に誰にも相談できず、私は自室へと戻るとベッドに横たわり目を閉じやり過ごす。
 少し休めば治るだろうと目を閉じたが、まぶたの裏には紙芝居のように何度も繰り返される世界、そして変わることのない現実を映し出し深く息がもれる。

「理緒」

 目を閉じて一体どのくらいの時間たったのだろう。まるで永い夢を見ていたような感覚に頭がぼーっとする。
 名前を呼ばれ、部屋にないはずの人の気配にまぶたを開けると私の手を握る恭介の姿があった。

「恭介……?」
「ああ、気分はどうだ?」

 前髪をかきあげられる感触に目を細める。
 そして自分の頬に伝う雫にいつの間にか泣いていたことを知る。

「大丈夫……理樹は?」

 涙をぬぐい身体を起こすと、月が高い位置に登っており自分が結構な時間寝ていたのに気づく。

「もう起きたよ。おまえ、夕飯に顔ださなかっただろ」

 机に置いていた時計に目を向けると時刻は十一時を回りかけており、恭介の言葉に夕食を食べそこなったことに気がついた。
 そのことを意識すると、先ほどまでなんてことなかったのに空腹を感じお腹が一つなる。

「お腹、すいた」
「だと思ってほら」

 コンビニで買ってきたのだろう、ビニール袋から取り出される菓子パンに私はお礼を言うとかぶりつく。
 空腹にしみわたる甘さに頭も冴えてくる。
 全て食べ終わると、お茶も用意していてくれたのかペットボトルの蓋を開けて渡される。
 何から何まで至れり尽せりだ。

「ありがとう、それとごちそうさま」
「それで、なにがあったんだ」

 飲んでいたお茶の手が止まる。

「え?」
「理緒が潰れるなんてそうそうないだろ」
「……大丈夫だよ」

 目をそらす私に恭介はため息をつき、額にデコピンを一つくらわした。
 私はそこをさすり恭介を見ると、恭介はまるでしょうがないと言いたげに笑みを浮かべる。

「そう言ってまた無茶するんだろ」
「無茶と言うか……」

 なんといえばいいのだろうか。
 自分自身に起きたことだが、自分でもわからないことに口ごもる。

「いつもと違うの」
「違う?」

 頷き先ほどまで自分の身に起きたことを告げれば、恭介は眉間に皺をよせ悩ましげに顔をしかめる。

「でも少し寝たら治ったから大丈夫」
「あっちではなかったことなんだな」
「うん、理樹が倒れるのと同じくらいに収まってた」

 こちらに来てから起きることに、私はこれが何を意味するのかわからなかった。
 この世界での拒否反応なのか、はたまた誰かの影響なのか、または私自身の願いなのか。

「いいか、何かあったらすぐに俺に言うんだ」
「恭介まるで保護者みたいだよ」
「心配してんだ」

 頭をなでる恭介の手に、私は照れくさくなり手元にあるお茶に目を向ける。

「ありがとう」
「よし、じゃあもう一度眠ろ。明日は朝練があるからな」

 立ち上がる恭介に、私は聞き慣れない言葉にその姿を見上げる。

「朝練?」
「そうだ、リトルバスターズ初の朝練だ!」

 気合いが入ってるのだろう、まだ空高く上る月を指さし近所迷惑にならない音量で叫ぶ。
 明日の朝も大変そうだ。

「俺は戻るけど一人で大丈夫か?」
「何歳だと思ってるの大丈夫だよ」
「それもそうだな、おやすみ」
「おやすみ」

 窓に足をかけ去る恭介の姿を見送り、私はお風呂に入ったのちベッドに潜り込むとすぐに眠気はおとずれた。

 次の日、眠気の残るなか身体を起こすとなぜか昨日恭介が居た場所に鈴がいた。
 うつらうつらと身体を揺らし、寝むそうな鈴を見ていると同じように身体がゆれる。

「鈴おはよー」

 私が起きたことに気づいてなかったのか、その声に身体を震わせ閉じかけていた目がうっすらと開いていく。
 鈴の赤い瞳と目が合うと、鈴はまるで猫のように手で洗う。

「おはよう……メール見てないのか?」
「メール?」

 言われて枕元に置いていた携帯を確認すると、そこには『朝にモンペチをとりに行く』という鈴からのメールと、恭介からのリトルバスターズ朝練のお知らせのメールが来ていた。

「ごめん、今見た」
「そうみたいだな」

 鈴はひときわ大きな欠伸をしそれにつられ、同じく大きな欠伸がもれる。

「勝手に持っていってよかったのに」

 いつも来ている部屋だから何がどこにあるかはわかるだろう。
 私はベッドから降りるとカーテンを開けた。窓からは一日の始まりを告げる朝日が差し込みその光に思わず目を細める。

「それも考えた。だけど暗くてよく見えなかった」
「カーテン開けたらよかったのに」
「そしたら理緒を起こしてしまう」
「なんか、ありがとう」

 鈴のさりげない優しさに感謝しつつ、私は制服に着替え身だしなみを整えると鈴と一緒にクローゼットを開けモンペチをいくつか持ちあげる。
 賞味期限も大事らしいが、鈴いわく味を変えて飽きさせないのも大事らしく、上から様々な味が古い順番に置かれている。

「そういえば朝練ももうすぐだね」
「あれ、本気なのか?」

 袋に詰め餌いれも持てば準備は整い、私は最終確認にメールを見ると恭介のメールに載っている時間はもうすぐだった。
 私の言葉に嫌そうな顔をする鈴に思わず苦笑する。

「まあ、恭介だし本気なんじゃないかな」
「……うう」
「小毬ちゃんも加わったし、練習に幅が増えるね」

 小毬ちゃんにまだ慣れていないのだろう。少し眉間にシワが寄る鈴に私はその眉間に指をあてる。
 でも昨日よりはまだ慣れたのか、そこまで嫌がってる様子はない。これも小毬ちゃんの人柄のたまものだろう。
 猫のたまり場である中庭にさしかかったときだ。聞き覚えのある、賑やかな声が耳に届く。
 目を向けるとそこにはリトルバスターズのメンバーがそろっており、皆それぞれバットやグローブと野球用具を持っていた。
 鈴には聞こえてないのか、はたまた軽くスルーしているのか、眠たげにその場を横切ろうとするが恭介はそれを見逃しはしなかった。

「おい、鈴に理緒何してるんだ。これからリトルバスターズ初の朝練だぞ」
「ん……なにぃ?」
「ああ、やっぱり本気だったんだ」
「当たり前だろ」

 眉間に寄っていたシワがさらに深く刻まれ、鈴は嫌だというオーラを全開にする。

「やるのかよ、まじで?」

 真人は器用に上にあげたボールを頭に落とし、その顔が苦痛にゆがんだ。

「昨日メール送っただろ」
「あ、本当だ」

 メールを見ていなかったのか、携帯を確認する真人に理樹は「朝に言ったでしょ」と苦笑をしていた。

「女子ソフトボール部がグラウンドを使っていない時間は限られているんだ」
「さぁ! ふぁいとー!」
「おー!」

 小毬ちゃんは両手を上にあげて気合いを入れる。
 それに釣られて私も思わず手をあげてしまい、モンペチが袋からいくつか落ちてしまった。

「いそげ! 青春の朝日が、今登る!」

 小毬ちゃんの掛け声に気をよくしたのだろう恭介は、バットを空にむけて宣言するとグラウンドへと走り出した。
 皆はそれに着いていくように、順に後を追いかけて走り出す。

「いやじゃああああああ!」

 鈴に至っては理樹に背中を押されて、無理やり連れて行かれていった。
 その場に残った私と謙吾は互いに顔を見合わせる。
 さすがにあれだけ参加を拒否していた謙吾だ、一緒にグラウンドへは向かってくれないだろう。

「謙吾はこれからどうするの?」
「俺はここで素振りの練習だ」

 手に握られた竹刀が朝日に照らされる。

「なら、お願いしたいことあるんだけどいいかな」
「なんだ?」

 私は落としてしまったモンペチを拾い、自分の腕に抱いていた餌いれと共に謙吾に手渡す。
 受け取った謙吾は一瞬手渡されたそれらに首をかしげるが垣根の間や渡り廊下の屋根から降りてくる猫の姿に合点いったのだろう。

「今からレノン達のご飯の時間でさ、これ餌いれに移し替えてくれたらあとは食べ終わるまで置いてていいから」
「わかった」
「ありがとう謙吾」
「りおちゃーんはやくー」

 グラウンドに続くドアから小毬ちゃんの私を呼ぶ声が聞こえる。

「小毬ちゃん今行くーじゃ、謙吾も朝練がんばってね」
「ああ、理緒も無理はするなよ」

 すれ違いざま、交わされる謙吾の言葉に私は曖昧に笑いそのドアをくぐり抜けグラウンドへと向かう。
 リトルバスターズ初の朝練は、晴天だった。


「よーし今日の練習はここまでにしておこう」
「ふぇー」
「はーい」

 恭介の一声に、それぞれ土埃にまみれた私たちは歓喜の声をあげる。
 さすがに朝一番の運動は身体にこたえる。

「皆いい青春の汗をかいたじゃないか」

 確かに、皆いい汗をかいている。特に真人なんていつも筋トレをしているからかその汗の量は半端ない。
 理樹に見せつけているその四肢は朝日に汗が照らされており、輝いていた。

「それじゃ、私たちはいったん寮に戻るね」
「ああ」

 女子メンバーは一度汗を流しにタオルや着替えなどの入った袋を持てば、外で着替えを待っていてくれた男子メンバーに声をかける。

「なんだよ朝飯くいっぱぐれるぜ」
「さすがに一度汗流したいよ。それじゃ」
「そういうもんなのか」
「女子は何かと大変だからな」
「恭介は女子の何を知っているの……」

 三人のそんな会話を背中で聞きつつ、私たちは女子寮のシャワー室へと向かった。

「ふぇーさっぱりしたー」

 それぞれシャワーを浴びすっきりした様子に、脱衣所ではドライヤーをかける音が響く。
 他にも朝の部活帰りの人もいるらしくなかなかに賑わっているシャワー室に、私はふと今日提出すべきノートの存在を思いだし鞄の中をあさる。

「あれ?」
「どうした」

 鞄をあさる私に、髪を乾かし終えた鈴が不思議そうな顔をしつつ近寄る。
 私はといえば、どこを探しても見つからないノートに内心焦り、机にでも置いてきてしまったかと自室を思い出す。

「私部屋に忘れ物したみたい。いったん取りに戻るから、よかったら二人で先に行っておいて」
「うん! おっけーですよ、りんちゃん行こっ」
「っ!?」

 指で丸をつくり、頷く小毬ちゃんは鈴へと向き直り顔を覗き込む。
 鈴は突然近づいた顔に肩をびくつかせ、視線は彷徨いつつも小毬ちゃんを捕らえようとするがダメだったのか目を固くつぶると鞄を持ち。

「あ、あたしも急ぐようがある!」

 そう叫び、シャワー室を出て行ってしまった。

「ふぇー……行っちゃった」
「まだ二人っきりは恥ずかしいみたいだね」
「でも、今日は昨日より話せたから」

 嬉しそうに笑う小毬ちゃんに、こちらもつられて頬がゆるむ。

「それじゃあ、行ってくるね」
「いってらしゃーい」

 小毬ちゃんに見送られて、私はシャワー室を出ると人の波に逆らい自室へと向かう。
 ドアを開け、目的の物を探しに一直線に机へと視線を向けるとそこにはノートが一つおいてあり、すぐに見つかったそれにほっと息をつく。
 どうやら入れ忘れてしまっただけらしい。
 私はそれを鞄の中にしまい、ふと昨日恭介はどうやってこの部屋に入ったのだろうかと気になった。
 なぜ今ここで気になったのかはわからないが、一旦気にするととことん気になる。
 まさかと思いつつ窓の鍵の部分をよくよく見ると、いつぞやの糸が括りつけられていた。
 いつの間にかまた仕掛けられてたそれに考えてみるが、全くと言っていいほど思い当たらず、ひとまず取ってしまおうと糸に手を伸ばす。
 見られて困るものや、今さらなこの関係に置いといても構わないのだが、この前これに猫がじゃれついてるのを見てしまい、ヘタしたら風紀委員に見つかってしまうかもしれない事態にそれだけは阻止したかった。
 固く括りつけられた糸は指では取れそうもなく、切る以外方法はないかとハサミを探すが学校の机に置いてきたのか見当たらず、もう今日は諦めようと鞄を背負い部屋をあとにする。
 まずはご飯だろう、と北校舎へと続く道を歩いていると突然予鈴が鳴りだし、自分があの糸とノートに気を取られている間にかなりの時間がたっていることを知った。
 予鈴と同時に、同じようにまだ寮に残っていた人が走って私の横を通り過ぎていく。
 私も走らなければ大変なんじゃないか。ここから教室のある南校舎までなかなか距離がある。
 鞄を背負い直し、さぁ走ろうと足を踏み出す瞬間。
 視界の端に黒髪がうつる。
 振り返れば教室とは逆に進む一人の女生徒の姿があり、その後ろ姿には見覚えがあった。

「来ヶ谷さん?」

 急がなければならないこの状況下で一人校舎とは違う方に進む彼女はきっと普通じゃないだろう。
 しかし、一年の頃から優秀とされ教師に一目置かれている彼女にとっては今の状況は日常なのだろう。
 一年生の時から今も同じクラスな彼女とは一度話したことがあるがそれはその場限りの会話だった。
 今ではむしろ彼女が私のことを覚えているかすらあやしい。
 教室にめったに居ない来ヶ谷さんに、私は声でもかけようと口を開く。

「くる――」
「直枝さん、急がないと遅刻しちゃうよ」
「え、あ、うん」

 しかしそれは後から来たクラスの子に声をかけられたことによって叶わず、一瞬目を離したすきに来ヶ谷さんの姿を見失ってしまった。
 そうなっては声をかけることも出来ず、だからといって探しに行けば確実に遅刻だろう。
 私は後ろ髪をひかれる思いでクラスの子の後を追いかけ駆けだす。

 なんとか間に合いそうな教室までの道のりに、私は息切れする身体に耐えきれず歩きだす。
 さすがに空腹時のダッシュはしんどい。
 教室まであともう少しってところでだ。後ろのほうのドアが開き見覚えのある姿が現れた。

「理緒ちゃんおはよーはよー」
「おはよー葉留佳どうしたの?」

 ここから葉留佳の教室まで距離があるが、時間は大丈夫なのかと持っていた時計を見る。
 本鈴まで、あと二分といったところだろう。

「いやー実は四字熟語辞典忘れちゃいまして、姐御に借りようと思ったんだけどいないみたいで」

 苦笑しつつ頭を一つたたく葉留佳に、私は自分のロッカーに入ってるのを思い出す。

「よかったら貸そうか?」
「ううん、理樹くんに借りたから心配ご無用なのですヨ! ありがとう、じゃねー!」

 理樹に借りた辞書だろう、それを持つ手を振り葉留佳は教室まで駆けていく。
 私はその後ろ姿を見送り葉留佳が出て行った教室の後ろのドアから入ると、理樹が床にひざまずいておりよく見ると足元に散らばったプリント類を拾い集めていた。

「理樹大丈夫?」
「あ、理緒ごめんありがとう」

 机に当たってぶちまけてしまったらしいそれを拾って行くと、満点のプリント類が目に入る。

「来ヶ谷さんのか」
「凄いよね」

 どの教科を見ても満点以外が無いそれに、私は先ほどの来ヶ谷さんを思い出す。
 校舎とは違う方に進む来ヶ谷さんに、誰もその姿を気にとめていなかった。
 まるで彼女がこの教室にいることはないかのような、いつもここでは一人で過ごしている来ヶ谷さんを思い出す。
 そんな彼女に、私はふとこんなことを考えていた。
 来ヶ谷さんもリトルバスターズに入ったらな、きっと楽しいに違いない。

「あれ? 真人、理樹は?」

 一時間目の古典の授業が終わり、合間の休み時間に飲み物を買いに行った理樹と真人だったが、しばらくして戻ってきたのは真人一人だけだった。

「それが呼んだけど来なくてよ」
「ふーん?」

 もうすぐ鳴るチャイムに、理樹を探しにいこうかと席から立ち上がると同じタイミングでドアが開く。
 顔を上げそちらを見ると、葉留佳の姿がありその手には今朝借りていった辞書が握り締められていた。
 教室内を見まわすその表情は少し怒ってるように見える。

「理緒ちゃん、理樹くんは?」
「まだ戻ってないけど、どうかしたの?」
「どうしたもこうしたも!」

 よくよく見るとビニール袋に入れられていた辞書が机の上に置かれる。
 何やら禍々しいオーラをまとっているそれに自然と背中に汗が流れた。

「なにこれ?」
「机の中の食べ物たちの憎悪がつのった書物ですネ」
「え?」

 意味のわからないその言葉に辞書をみるが、開けてみたいのと開けたら後悔する気がするそんな二つの衝動がおそう。
 そんな時、廊下から急ぐ足音が聞こえ、葉留佳はその辞書を持つと前のドアに仁王立ちをして待ち構える。
 開かれたドアからは理樹が走ってきたのだろう、息を切らしており葉留佳の姿を見ると後ずさった。

「理樹くんに言いたいことがあるんだけど」
「中、見たんだ」

 理樹はその袋の中を知っているのか、歯切れの悪い返事をする。

「理樹くんは?」
「い、いや……僕は見てない」
「じゃあ開けないとダメです」

 差し出された辞書に、理樹は一つ息をのむとビニール袋から取り出す。
 次の瞬間この世のものと思えない匂いと、色鮮やかな辞書に理樹の絶叫が廊下に響き渡り私は開いた口がふさがらなかった。
 そんな様子をすぐ横で見ていた真人は青白い顔をしており「あれ、オレの作品なんだ」と呟いた言葉に理樹は被害者なのだと悟った。

「断末魔のプリン瀕死のジャムヨーグルトの妖怪変化」

 その正体をあげていく葉留佳に、理樹は辞書を持ちその場にへたり込んでいく。

「理樹くんいいかな。机の中に入れていいのはプリンじゃなくてプリントだけ! 四字熟語辞典はきちんと冷蔵庫にいれましょー!」

 葉留佳は指を理樹に向ける。それに愕然とする理樹の姿に心の中で合掌する。
 しかしプリンだけにプリントなんて、ちょっとしゃれてるな。
 なんて葉留佳の言葉に感心する。 
 二時間目の授業がはじまる間際のことだった。

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