第九話
夏の風ほど気持いいものは無いと思った
*都会へ行こう!第九話*
キーコキーコ…
ブランコをこぐ音だけが辺りに響いた
「…昔…昔…?うん昔」
私はブランコに乗りながらどうして懐かしいのか昔を振り返ってみた
しかしもとから過去を覚えるのが苦手な私は何一つ思い出せず
気づいたらブランコはかなりのスピードが出ていた
「うげっ…気持悪い…」
私は直ぐ様ブランコを止め暫く酔いと戦っていると突然声をかけられた
「お姉ちゃん大丈夫?」
顔をあげるとそこには小さな男の子がいた
「あっうん大丈夫だよ」
私は未だ酔いが回っている体を立たせ「ほらこのとおり」と手を回したりしながら大丈夫な事を示したが
やはり気持悪いのは気持悪くて突然動かしたことによりさらに気持悪さが倍増した
あれー何だろ昔にもこんなことあったような…無かったような…
私は意識が薄れる中最後に「あっ家のプリン食べるの忘れたや」と思い意識を手放した
確か…かなり昔まだ私が5歳の時だっけその時お母さんに連れられ何か知らない所に行って…
暇だから近所に会った公園に行ってーあぁそっかその公園だきっと
それが似てたんだあの公園と
当時5歳の私は今と同じぐらい人見知りが激しくその時も公園に行ったものの怖くてブランコに乗り皆の様子を見ていた
その中何故かサッカーをしている男の子が気になりずっと目でおっているとその子はこっちに気づいたらしく目があった
私は驚きブランコから降りて逃げようとしたら失敗して頭から落ちて起き上がるとこっちに向かってきたブランコが頭に当たり暫く驚きと混乱と痛さで涙が出てきそうで出てこなくて
「大丈夫?」
そう声をかけてくれた時に気がゆるみ涙が出てきた
声をかけてくれた子は背中を優しく撫でてくれて何度も何度も「大丈夫だよ痛くないよ」と声をかけてくれた
今思うと凄くすっぱい思い出だな…
かなりの時間意識を手放していたのか気づくと太陽が真上にきていた
「…あー暑い」
「そりゃ日陰が無い所に二時間も寝ていたら誰でも暑いっていうでしょ」
「フッ二時間も寝ていたのかそりゃ暑いはずだって何で英士が!?ってかやわらけーよこの枕っておい!」
私は急いで起き上がろうとしたら英士に押さえ付けられ「急に起きるとまためまいがして倒れるでしょ」と叱られた
わかったからお願い膝枕はやめて…
「…何で英士いるの?」
「さっき悟が走ってきてお姉ちゃんが倒れたって来たんだよ」
「あぁ、あの男の子悟って名前なんだ…悪いことしちゃったな」
私が暫く心の中で自分を叱っているとふとさっきの夢もとい思い出を思い出した
「そうそう英士」
「何?」
「私ね昔に此処に似た所に来たことあるんだ」
「ふーん」
「でね私ブランコから落ちて男の子に慰めてもらったんだ」
そう丁度英士を小さくしたような子に
そう言うと英士は目を見開き「それって…」と何かを言おうとしたら丁度よく悟君が手に何かを持ちやってきた
「お兄ちゃんー!お姉ちゃんー!」
「あっ悟君」
私は起き上がり悟君の方に行きさっきのお礼を言うと「気にしないで」といってくれた
将来いい男になるだろうな
私は悟君が持ってきたジュースを貰い英士にもあげようと思い英士の方を向くと目があい、そらせなくて暫くかなしばりにあったかのように動けなく
「…英士どうかした?」
と私が聞くと英士は笑い何でもないと言った
手に感じる冷たさと頬に感じるあつさ
夏のせいじゃないあつさに胸がドキドキして凄く変な気分になった
それは夏のせいだと決めつける私はまだ恋をしらないのだと初めて知った夏の昼間のことだった
あとがき
いつも終りの文に困ります
ってか今回名前変換ないよ!?
えっと遂に恋を知ったヒロイン
でも多分のんびりな恋だと思います
えぇそりゃ読んでるこっちがじれったくなるほどな恋模様
わぁーやだなそれ…(笑)
そして過去話ものんびりのんびり
そんな話をこれからもよろしくお願いします
誤字・脱字がありましたら申し付けください
桜条
2005 12/27
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