鬼ごっこ
乱れて荒くなる息が口から漏れる。両手でそれを押さえるが胸は震え脈打つ速さは初めての感じだと真っ白になりかける頭でポツリと思った。
「名前さん?」
古泉くんだ。彼の声に私の身体は一層震える。教室へと踏み入れたのか、足音が近づいてくる。
掃除用具を取り出した掃除箱に注意が向いたのか、彼は後ろへと向かい、掃除箱を開け私の名前を呼んだ。
「名前さん、いないんですか?」
彼の足音が教卓へと近づく。私は固く目を閉じ、古泉くんが過ぎ去るのをいのった。
「名前さん?」
目の前に古泉くんの足が、立ち止まり。しゃがみこもうと屈み。息が、詰まる。
「古泉!」
「……あなたですか」
「そうあからさまに残念な顔するな、俺も子なんだろ鬼さん」
キョン、どうして。
キョンを狙う刃物が私の目の前を過ぎ去る。出るなら今だ。
「キョン!」
「名前!」
古泉くんは面食らったように目を瞬かせ、私を見つめる。
「ごめん古泉くん」
私は手元にあった椅子を振り上げ、彼の後頭部を殴った。
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ホラー目指して断念。
古泉は鬼に憑かれた設定。最後は皆でバンニャーイだった。
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