復活
雲雀→骸→綱吉で、雲雀視点
太陽も沈み、月が顔を覗かせて辺りも暗くなった廃屋で、二つの影が激しく火花を散らしていた。
片方の影は、トンファーを携えた漆黒の少年――雲雀恭弥。
もう一方は右眼に赤い不気味な瞳を埋め込んだ、長い槍の付いた棒で応戦する青黒い髪の少年――六道骸だった。
それはここ最近よく行われる勝負で、いつも骸の勝利で終わっていた。
その敗北を何度も味わっているにもかかわらず、雲雀は自分より強いその強者に闘いを挑み続けた。
本人は気付いていないようだが、それは憎しみや悔しさというには優しく、いっそ恋する者のように甘く、執念深かった。
「・・・ねえ」
淡々とした口調で問うたが、雲雀はその間にも次々と攻撃を繰り出していた。
「君はどうすれば僕を見てくれる?」
「何を馬鹿な事を」
雲雀の繰り出す鋭い攻撃を槍で受けつつ、骸はその言葉を鼻先で嘲笑った。
「僕が君になびくなんて、天地がひっくり返ってもありえません」
「それじゃあやっぱり実力行使だね」
「そう言っていつも負けているのは誰でしょうね?」
キィンッと武器がぶつかり合い、軽く火花が散った。
互いにかみ合った武器をぎりりと押しやり正面から睨み合う。
一歩も引かない接戦でありながら、両者共に余裕の顔を保っていたのだが、不意に骸の額に汗が滲み始めた。
「どうしたんだい?顔色が悪いようだけど」
「クフフ、なんでもありませんよ」
ニヤリと笑みを浮かべた雲雀に対し、骸は笑みを浮かべてはいるがどこか調子が悪いようで、顔色が酷く悪かった。
それを好機と力を強める雲雀に、均衡を保っていたそこは崩れ、骸は次第に押されていく。
「っく!」
「逃がさない」
後ろに跳び逃げる骸を逃がすまいと雲雀はそのまま勢いづき、左から鋭い一撃を繰り出す。
それを防いだ骸に今度は続けざまに右から攻撃する。
それを骸は槍で何とか防ぎはしたが、一瞬反応が遅れてしまい僅かにトンファーが左脇下辺りを掠めた。
「ねえ、やっと僕に倒される気になったの?」
至極愉快そうに笑う雲雀と間合いをとると僅かに顔を歪めたが、直ぐにいつもの笑顔に戻すと正面から雲雀の顔をみ、骸はあり得ない、と吐き捨てると、淀みなく言い放った。
「僕は貴方には絶対負けません」
「その状態でもかい?おもしろい冗談だね」
「冗談ではありませんよ。なぜなら・・・」
「僕に勝てるのは、綱吉君だけ、ですからね」
それは、絶対に、忠誠を誓った者以外には屈しない、強い光りを燈した眼で。
雲雀は眉をぴくりと動かして不機嫌そうな表情を隠しもせず、興味を無くしたとばかりにその身を翻すと、雨降る夜道を帰っていった。
「・・・・・・」
力で勝っても、あの存在がある限り、自分の方には振り向いてくれない。
どうすれば
どうすれば――
(・・・・・・あの草食動物を、咬み殺そうか)
そうしたら、君は僕を見てくれるようになるかな―――
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友人の「むっくんに「僕に勝てるのは綱吉君だけです」って言ってほしい!」という言葉から生まれたもの
因みに設定↓
*雲雀さんはむくの事気になるかなー
*むくはつっくんが好きー
*つっくんなんかちょっとむくに心許しかけてる
って感じです
いらない設定…!!
綱総受け派な私には書くのが凄く大変でした…雲雀さんはつっくんに優しいはずなのに…!
骸綱にみえないけど骸綱って言い張ります(えー)
ちょうど御題にあったから書いてみました。
戦闘シーンって難しいね☆/何
なんか不完全燃焼orz