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 オリジナルとレプリカだとかそんな関係じゃなくて、遠いような、でももっと近いようなそんな関係になれる――そう思うと、自然と口元が綻んだ。

 ローレライはそんな俺をしばし黙って見つめていたが、やがて再び口を開いた。


「――もう一つの問題、大爆発の回避についてだが」
「・・・どう、するんだ?」
「我と汝らとの間で大爆発を起こし、回避しようと思う」
「・・・・・・なっ!?」
「二人は完全同位体。そして我の完全同位体でもある。一度我と大爆発を起こせば、オリジナルの失われた音素を補うこともでき、吸収活動も止まるだろう」


 さらりととんでもない事を言い出したローレライに、ぎょっとして目を見開き、俺は慌てて反対の声をあげた。
 だって、だってそんなことをしてしまえば――


「んな事したら、お前が消えるだろ!?」
「だがもともと、我は解放された時点で自由となり、星を漂うただの音素となる運命であり、それが願いであった。ただそれが、音譜帯に還り地上から消えるか、汝らと大爆発を起こして消えるかの違いだ」
「でも!」
「先程も言った通り、これはもう一人のルーク・・・アッシュの失われた第七音素を補う意味もある」
「・・・・・・っ!」
「そして、これは我がしたくてすること。我は、我に近い汝らを見ていて、汝らと共に在りたいと思ったのだ・・・・・・ルークの願いを叶えたいのは勿論だが、我は、我が愛し子達と共に在りたい」
「・・・ローレ、ライ・・・・・・」


 表情なんて分かるはずがないのに、何故だかローレライが微笑んでいるような気がして、俺はそれ以上何も言うことが出来なかった。


「――もう時間がない。ルークよ、今一度問う。汝の願い、大きな代償を払うが、それでも叶えたいか」


 ・・・・・・二人で、生きたい。

 でも、そのためには地上の皆に、このオールドラントの皆には、もう、会う事が出来なくなってしまう。

 けれど。

 それだけの代償を払う代わりに、


 ――アッシュ


 俺のオリジナル
 俺の憧れ
 俺の絶対

 彼が、生き返るなら。


「――俺は、アッシュと生きていけるならなんだって差し出すよ」


 それこそ、自分の寿命が縮まってもいい。
 身体でも、心でも、記憶でも、本当になんでも。


「――そうか。ならばさっそく我と汝らで大爆発を起こし、後に時空の狭間に飛ばそう。あとは全て、流れに身を任せよ」
「・・・わかった」


 正直、ローレライと大爆発を起こすのは嫌だし抵抗があるけれど、状況が状況なので、そうも言っていられない。
 それに・・・・・・これは彼自身が望んでくれていることで、それを無下にすることも出来ないんだ、と無理矢理自分に言い聞かせた。



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