和知様からの頂き物(むしろ強奪←)




買い物の帰り、アイツを見かけた

アイツはケーキ屋の前に立ち、窓にくっつきそうなほど顔を近付け、じーっと中を覗いていた


(あれは、一歩間違えれば不審者じゃないのか…?)


間違えなくても既に不審者な気もする

(本人が聞いたら怒るだろう)(まあ全然怖くないが)



距離にして50メートル
鼻が利く自分には、この時点でもうキツい
すぐそこの角を曲がれば、甘い匂いは次第に薄れるのだが



一歩、また一歩近付く
その度に匂いが濃くなり、容赦なく鼻腔を刺激する


(ここで、曲がれば…)


すぐに匂いは遠ざかるというのに




「…おい」


結局引きつけられるように店の、いやアイツの前まで来てしまった
(甘い匂い)(くらくらする)


「へ…あれ、志々尾?」


振り返った顔は緩みきっていて、かなり間抜けだった



「…はにふんだよ(何すんだよ)」

「くっ…すまん、つい」

「つひー!?ふか、はらふあ!(ついー!?つか、笑うな!)」


思わず両頬を抓り上げると、緩みきっていた顔がさらに間抜けになり、小さく吹き出した

―と、自分の両頬にかすかな痛みを感じた


「ひかえひあ(仕返しだ)」


ニヤリ、笑いながらそう言うもんだから



「ふ!?ひあひひあひ!(う!?痛い痛い!)」


指に力を込めてみたりして


向かい合って互いに頬を抓りあっているなんて、はたから見ればさぞかし滑稽な事だろう
(事実、何人かがくすくす笑いながら横を通り過ぎていった)


それでも


「ひひほー(志々尾ー)」


自分に向けられた笑顔が、真っ直ぐな視線が

愛しくて





周りなんか見えない

(何よりも、君だけが)




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う、うふふふふ…!(何)
まさかこんなに早く貰えるとは思ってなかったのでとっても嬉しいです…!(自分が遅いだけ/遅すぎ)
甘あまで満足っす、ご馳走さまでした^^

和知様、本当にありがとうございます!
いきなりリクエストしてすみませんでした…!←

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