会話文のみ




◆家内について一言どうぞ


「え、何、家庭調査アンケート?あー、家内って言ったら新八のことだよな。ま、よく出来た眼鏡だと思うよ」
「・・・は?何言っちゃってるんですか銀さん?!誰が誰の家内だってんですか!?っていうかよく出来た眼鏡ってどういう意味だこのクソ天パ!まず根本的に間違ってますよね?僕は立派な男なんですけどおぉォ!!」
「うるさいネ眼鏡。家内ってワイフの事か?なら私にとってマミーって意味アルネ。とにかくガミガミと喧しい奴ヨ。やることなすこと一々口出ししてくるし、酢昆布は一日一本とかケチネ。買い物だってケチケチしてるケチケチ大魔人ネ、だいたい駄眼鏡のくせに私に指図するなんて生意気ヨ」
「って神楽ちゃんも何言っちゃってんのさ!?いつの間に僕子持ちなママさんになってる訳?!大体、万事屋のお財布事情は神楽ちゃんだって分かってるよね?万年金欠なのはいつものことだけど、今月はとくに火の車だからコンビニにすら行けないし、酢昆布代だって馬鹿にならない・・・って言ってる側から食べない!!あーもー、銀さんもなんとか言っ・・・」
「そうだぞ神楽ぁ。銀さんを見習えよー。ん?何かなー新八くんそのゴミを見るような目はフグォぉッ!!」

「テメェも何糖分勝手に摂取してんだコラアぁぁ!!昨日チョコレート一欠け食わせたばっかりだろうが少しは自重しねえかマダオが!!!」




◆存外楽しそうな家庭ですね


「え、ちょ、これの何処が楽しそうに見えるんですか?貴方の目は節穴ですか?!僕が家内とか言われてる時点でつっこんでくださいよ!」
「ツッコミはお前の特権だろ。それに何も可笑しい事ないアル。穀潰しの銀ちゃんがパピーで新八がマミー、長女が神楽ちゃんの楽しくて明るい三人家族ヨ。円満ネ」
「家族っていうのは否定しないけど・・・否定はしないけどだからなんで僕は母親位置?!」
「母親だろうどう考えたって・・・あとさ、銀さんが穀潰しってどういう意味かな神楽?ちゃんと稼いでるよね?前だって焼肉食べさせてあげたよねえ?」
「何ヵ月前の話ですかそれ。まず僕ら一度もまともに給料すら貰ったことないんですけど」
「いやいや、それはあれだ。現物支給で賄(まかな)ってるじゃねえか」
「何をですか?!そんなもの貰った覚えありませんよ!」
「何言っちゃってんの新八君。いつも全力であげてるって。ほらあれ、


 銀さんの愛」


「要りません」
「要らないネ」

「ちょっとおぉぉぉ!!おま、そんな間髪入れずに全力で否定しないでもいいじゃん!なんで二人ともそんな冷めた子に育っちゃったの?!お父さんそんな子に育てた覚えはありません!!」
「育てられた覚えもないですけどね。愛よりも金をください。世の中金なんですよ。金が無いと明日も見えないんですから・・・」
「まったくネ。愛で腹が膨れるわけでもないアル。そんなもん注ぐ暇があるならさっさと仕事見付けて稼いでくるネ。それか臓器の一つや二つや三つ売っぱらってこいや」
「オイィィィィ!!そんな事したら俺死んじゃうからね?!何いい笑顔で死刑宣告してくれちゃってんのこの子は!」
「そうだよ神楽ちゃん!銀さんの糖に犯された臓器なんて役に立たないし売れっこないよ。売るなら天パぐらいじゃないかな。珍しい色だし天パだし」
「それもそうネ。天パだから価値があるかわからないけど、今度業者に見積もってもらう事にするアル」
「だーかーら!なんで、俺の体売り飛ばされそうになってるわけ?なんか新ちゃんまでいつになく辛辣じゃね?!つか、天パ馬鹿にするんじゃねぇ・・・・・・って二人とも?おーい、あの、アンケートの人?あれ、これって無視?銀さん放置プレイですか?え、マジで酷くない?ねえ、ねえちょっと聞いてる?!」




◆暗くなってきたので今回はこれで。ご協力有り難うございました


「え、ほんとにスルーしちゃうの?」
「あ、本当だ。もうこんなに日が沈んでたんですね」
「だから・・・」
「新八ぃ、私お腹ペコペコヨ。今日の夕飯は何アルか?」
「・・・・・・」
「白ご飯と沢庵、後は海苔ふりかけだよ」
「三日前からそればっかり・・・私卵かけご飯が食べたいネ」
「そうだね・・・でも、しばらくしたらまた仕事がくるだろうから、それまで我慢しないと・・・・・・あ、何ですか?え、アンケートのお礼の粗品ですか?いやいや答えた覚えないんですがいいんですか?!・・・・・・あ、ありがとうございます!!」
「・・・おーい、」
「何くれたアルか?食べ物アルか?!」
「こんな事で貰えるのなんて、タオルとかそんなの・・・って本当に食べ物だよ!!しかも肉!!」
「マジか!ヤッフー今日は祭りじゃァァァァ!!」


「・・・・・・なんか完全に無視というか視野に入ってないよね。あれ、なんでだろ、前が霞んで見えない・・・」
「モジャモジャはさっきから煩いアル!水差すんじゃねえアルヨ!!」
「モジャモジャじゃなくて天パだから!!散々無視してたのはどこのどいつだコノヤロー!」
「いつにもましてKYだからアル。あとモジャモジャネ。モヤシにそっくり」
「いや違うってモヤシでもなく天パだって」
「モジャモジャヨ!」
「天パ!」
「モジャモジャ!!」
「天パ!!」
「どっちでもいいじゃないですか!とりあえず二人とも黙ってください周囲の視線が物凄く痛いから!」
「どうでもよくないアル!だからお前はいつまでたっても眼鏡止まりヨ」
「そーだそーだ」
「眼鏡関係ねぇぇぇ!!これは目が悪いから掛けてるだけだから!あーもーいつまでも喧嘩するならご飯無しだからね!!肉も姉上に献上してやる!!」
「「すみませんでした!!」」
「わかればよろしい」






◆家族


「はあ・・・それにしても、神楽が口悪いのはいつものことだけどよォ、新八にまで無視されると銀さんのガラスのハートが粉々に砕けるだろーが。オンリーロンリーグローバルだって」
「それを言うならグローリーですよ。しかも意味全く違いますからね、自分だけのたった一つの光とかそんな意味ですからね。あと、僕はいつもそんな扱いなんですからたまには辛酸ねっとり味わってみろってんですよ」
「だからさっなんでそんなに冷たいの?ほんとに泣いちゃうよ?」
「泣け。喚け。そして死ね」
「オイィィィィ!!神楽てめっなに爆弾発言してるの?!何が言いたいの?!何がしたいの!!ああもう・・・・・・ほんとっもう、こいつら嫌だァァァァァ!!」
「あっ銀さん!?」




「・・・銀さんでも逃亡する事があるんだね・・・ちょっと弄りすぎちゃったかな」
「あれぐらい全然堪えてないヨ。銀ちゃんはそんな貧弱な神経じゃない、核ミサイル並に図太い神経してるネ。屁でもないヨきっと。大体、時々は言うこと言わないとヤツも付け上がるアル。私たちがしっかりとヤツを育ていかなきゃいけないネ」
「なんかどっかで同じような台詞を聞いた気がするんだけど・・・まあ、確かに銀さんってば僕らの事なんか考えずに一人で突っ走って行っちゃうし、ていうか置いていかれるこっちの気持ちも察しろよって思うし・・・付け上がってるというか、自意識過剰だよね。いっぺん長い鼻へし折っても良いよね」
「いっぺんと言わず何べんでもへし折るといいネ」
「あはは・・・まあ、今日みたいになるかもだし、あんまりし過ぎないようにしないといけないけどね。いっつもあんな感じで大人しくしてくれればいいんだけどなぁ・・・」


「・・・・・・銀ちゃんてさ、変な所で子供扱いし過ぎでムカつくアル・・・私だって、もっと役に立ちたいのに」
「・・・うん、そうだよね。確かに皆ぐらい力があるわけじゃないけど、僕も同じ立場に立たせて守らせてほしいんだけど、ね・・・・・・なんかしんみりしちゃったね。そろそろ帰ろうか、銀さん不貞腐れてるだろうから構ってあげないと」
「・・・そうネ、結局はヤツも人の子、私たちが居ないと何も出来ない駄目人間ネ。長女の私がしっかり調教しなきゃいけないアルネ!はぁ〜、ダメダメ夫婦の子供は辛いアル・・・」
「調教じゃなくて矯正じゃない?!いや、それよりなんだよダメダメ夫婦って!だからなんで僕母親?!」

「八郎のマミー思い出すアル」

「へ?」
「喧(やかま)しくってお節介で・・・でも、居るとなんだか暖かくて安心するネ。新八は私たちと比べると本当に"普通"アル。良い意味で普通アル。どんな無茶しても、夜兎の血が騒いでも、怖がりもしないでいつもみたいに普通に笑ってくれる新八が居るから、私、普通に戻れるアル。銀ちゃんもきっと一緒ネ」
「神楽ちゃん・・・」
「・・・私の地球の家族は万事屋の二人アル。大体万事屋に引き留めたのはお前なんだからな、最後まで面倒ぐらいみろヨ」
「はは・・・うん、それもそうだね。僕らは、家族だよね・・・・・・そう思ったら母親位置でも良い気がしてきた。あれ、それはそれで駄目じゃないか僕?」


「ま、いっか。そんな位置付けしなくたって、僕らは家族なんだし」
「・・・それもそうアルネ」
「じゃ、そろそろ本当に帰ろうか。今日の夕飯は久々に豪華だよ!」
「肉は全部私のヨ!」
「いやいや駄目だからね?ちゃんと3人分に分けるからね?」
「・・・ほんとケチネチ眼鏡アル」
「それどんな形容詞?!」




とある家族の日常風景





(やっと見付けた!こんな所に居たんですか銀さんってば・・・)
(寒中水泳でもするつもりだったアルか?銀ちゃん)
(うっせぇほっとけよ。どうせ俺なんて穀潰しのマダオですよーだ、銀さんなんて誰にも必要とされてないんだろー、どこでどうしたって良いじゃねえかコノヤロー)
(はいはい、いい大人なんですからいつまでも拗ねないの。僕も今日は言い過ぎましたけど、とりあえず帰りましょうよ。いくら最近暖かくなってきたからって、日が沈んだらまだ肌寒いんですから・・・河原になんて居たら特に風邪引いちゃいますよ。さ、帰りますよ)




(・・・新八って、やっぱ母ちゃんだよなぁ)
(まったくネ)




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(2010/5/28執筆 6/17掲載)
万事屋のほのぼの家族を書こうと思ったのに、必要以上にキャラが暴走した。
あれ、こんなはずじゃ…
まずまだ銀魂のキャラ自体掴めてなかったりする(^q^)

てか、ギャグを書くのって本当に難しいんだなって実感しました、まる←




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