血溜まりと暗闇の中に浮かぶ淡い栗色を見つけた瞬間、体が反射的に動いて駆け出していた。
「・・・っ綱吉君・・・・・・!!」
きつく抱きしめて、存在を、温もりを確かめるように強く、強く。
「・・・・・・骸?苦しいよ・・・何をそんなに心配してるの?」
俺は大丈夫だよ
その言葉は、諦め、自嘲、そんな物が混ざっていて。
しかし反対にその姿は折れそうで、儚く、泣いているようで。
そんな風に微笑んで欲しくなどないのに。
「・・・・・・く・・・っ」
抱きしめる腕に力を込める。
昔のように笑って、欲しいのに。
何時からだろう。
貴方は壊れ始めた。
壊れていく貴方を見ているのは辛くて、貴方にこれ以上苦しんで欲しくなくて。
でも何も出来ず見ているだけの自分が歯がゆく。
愛しい人が壊れていくのに耐えられない。
抱きしめる腕に力を入れる。
彼の、いや自分の中に渦巻く不安を押しつぶすように。
彼が、壊れる。
彼のことを、壊したくない。
愛おしくて、
愛して、
狂おしいほどに愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して、愛して愛して愛して愛してあいしてあいしてあいしてあいしてあいしてアイシテアイシテ
ア イ シ テ イ テ
愛しすぎて愛しすぎるこの人が。
このまま壊れてしまうのならば。
いっそ、この手で殺してしまいたい程に
(貴方を、愛して)
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(2007/3/11)
追試前日に突然書きたくなって書いた代物(おい)
一応解説しますと…
十年後、無事ボスになったツナは当然殺しをする事になり、初めこそ嫌がっていたけれど、たくさんの命を奪っていく内に段々と心が壊れていってしまって、それを見ていられない骸は壊れてしまうのならいっそ自分の手で楽にしてやりたくて――――
みたいなノリです。
わっかりにくーい☆←
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