追記+
1104 11:45


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はっと碧色の目を見張ったかと思うと、目の前の綺麗な朱毛を持った少年――かの有名なゲームの主人公であろう少年――ルークは、自身を両手で擁護するように抱きしめた。


「お前……誰だ……っ?!お、お前も俺を責めんのか!?おれは、俺は何も……っ何も悪くないのに…!師匠が、俺なら、瘴気を消せるって!」
「お、落ち着いて!大丈夫、大丈夫だから!!」


何が大丈夫なのかは自分でもよく分からなかったけれど、私にはそんな事を言うしか出来なかった。
怯えて震える、自分より大きなその子供を私はきつく抱きしめた。
触れようと近付くと肩がびくりと跳ね、後ろに後ずさるようにして彼は逃げたが、そっと触れると抵抗はしようとしなかった。
声をも震わせながら、何度も何度も「俺は悪くない」と繰り返す彼を優しくきつく抱きしめて、その大きくて小さい背中を撫で続けた。

暫くすると、肩に微かな冷たさを感じ、小さな鳴咽が聞こえてきた。
いつの間にか自分の背中に回されていた彼の手は、縋るように私の服をにぎりしめていた。
その間も私は背中を撫でていた。
そしてそれは、彼が落ち着くまでずっと続いたのだった。

ーーーーー


このあと落ち着いたルークを連れてとりあえず夢主の家に行くことに。(レッツお持ち帰り←)
その際ルークの朱色の髪と腰の剣が目立つということで、都合よく夢主が持っていたベンチコート(またはロングコート)を頭からすっぽりと被せて移動。
当然ルークは渋りますが、そこは言いくるめてしまいます。
その姿は端から見たら犯罪者を連行しているようで、周囲から痛い視線が刺さります。
それに気付いている二人は何ともいたたまれない気持ちになりながらはや歩きで歩いていきます。

家の設定は長髪編と同じ。
夢主は歩きながら頭を整理し、目の前に突然現れたから彼は本物のルークだ、と確信します。
ついでにアクゼリュス崩壊直後というのも簡単に予測できます。
そして無事家について、ルークにとりあえずここは別世界だと話します。
ルークは、自分の住んでいたところと外の様子も家の様式も家具も違うので、混乱しながらも柔軟な脳のおかげですんなりと、ああそうなんだな、と受け止めます。
状況確認しながらお互い落ち着いたところで自己紹介。
そこではたとルークは名乗ろうとして躊躇します。
これは本来アッシュの名前だと、自分は本当は名前もないただの人形だとか言われまくって、無意識に使ってはいけないんだ、って思っちゃうんです。
その発言に夢主衝撃。


ーーーーー

「あ…………俺……ルーク……て、名乗ってたけど……」
「……え?」
「……これ、アッシュ……って奴の名前、らしいんだ…………だから俺には、名前、無いんだ……」
「!!」


その言葉に私は驚き、目を見開いた。
まさか彼の口からそんな言葉が出て来るなんて想像もしていなかったので、私は頭をガツンと殴られた気がした。
不意打ちとも言えるそれは、思いきり私の胸に深く刺さり、息がつまる。
体が芯からすっと冷え、膝に置いていた手には汗が握られた。
俯いた彼の表情は窺い知ることは出来なかったが、声色からはなんとも言えない悲しみの様なものが伝わってきた。


「で、でも、貴方は今までルークという名前で生きてきたんでしょ…?だったら……」
「いや、駄目だ!だって、俺は、俺は“違う”って……っ」
「っ……!」


身を強張らせ、微かに震えながら叫んだ彼に、私は言葉を失った。
当たり前といえば当たり前だが、絶対視していた師に裏切られ、周囲にあれだけの暴言を吐かれれば傷付くのは当前なのだ。
ゲームをしている時も、アクゼリュスのイベントは辛いものがあったが、その時には感じる事のなかったリアルが、当事者を目の前にし本人の口から聞くと、とても、とても重くのしかかってきた。
絶望感と悲壮感がないまぜになってダイレクトに伝わってき、私はスカートをきつく握りしめる。
そして彼を傷付けた者達に強い怒りが湧いたが、今はその事よりも彼をなんとかして慰めたくて、気がついたときには言葉が口をついて出ていた。


「……じゃあ!私がルーク……ううん、貴方の名前を考えるわ!いえ、考えさせて下さい!」


叫ぶように発した言葉と共に勢いよく席を立ってしまったため、椅子が思いの外大きな音をたててしまった。
その音に肩を大きく跳ねさせた彼だったが、まさかそんな事を言われるなんて思っていなかったのだろう、彼は弾かれたように顔を上げ、大きく見開いた眼をこちらに向けた。


「は?………あんたが……名前って、おれの……?」
「勿論!だって……“名前がない”なんて、悲しいじゃないですか……」
「……」
「あ、でも嫌ですよね、私みたいな会って間もない他人なんかに付けられるなんて……」
「……いや…」
「え?」
「お前こそ、会ったばかりの奴に……明らかに、不審、人物だろ……?」
「……確かに、いきなり目の前に現れてびっくりしましたけど、でも」


「そんな、泣きそうな顔した人を放っておける訳ないじゃない……!」
「……っ…」


◇◇◇


「……ルクス、かな?ルークを捩(もじ)ってみたんだけど……いきなり、今まで名乗っていた名を全部捨てるなんて、なんだか、貴方の全てを捨ててしまう気がして……」
「………ルク、ス…」
「……やっぱり、嫌、ですか?」


「っそんな事ない!その…あのさ……それ、本当に、俺が名乗っていいのか……?」
「!勿論ですよ!」

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とかなんとか。(途中で力尽きた)ルークの名前はここからルクスに。
フルネームはルクス・ブレイズ、ブレイズは「強い輝き」という意味。
強く生きてほしくてこれも夢主が付けた。
気分はさながら子を慈しむ親。(笑)




これで書きたいSSが今一個あるのですー!
ルークもといルクスが体調悪くて寝込んじゃってる時の夜、なんかアッシュとのフォンスロットが時空を越えて繋がって、寝込んでて意識のないルクスの体をアッシュ乗っ取る話。


こいついきなり消えてどこ行ってやがったんだ、てかやっと繋がりやがったとか心の中で悪態付きます。
けど、見たこともない場所(因みにルクスの部屋。蒲団と襖、畳など純和風な造り)で、ここは何処だと焦ります。
とりあえず状況把握の為蒲団から這い出して、部屋を出ようとして襖と暫く奮闘すればいい。(取っ手もないし、横開けってわからないと思う)
奮闘といってもなるべく物音をたてないように。
得体の知れない場所にどんな人物がいるかも分かりませんからね。
部屋からやっと出れたアッシュはとりあえず家を出ようとします。
が、玄関わからず。(笑)
そうこうしているうちに夢主がいる居間にたどり着きます。
誰かがいる気配を感じたのでもと来た道を戻ろうとしたところで、運悪く床が軋みます。
夢主は当然気付き、たまたまアビス関係の物を扱っていたのでそれを急いで手近にあった袋に入れます。
実はこの時夢主がアビスの存在を隠すために、ルクスの体調が悪いうちにこっそり隠そうとしてるんです。
慌てすぎて

「だ、誰?ルクス?」

と吃(ども)りつつ聞きますが、返事はなく、アッシュはルクスって誰だと思いながらも焦ります。
いつまでたっても返事もないし入っても来ないので不信に思った夢主は廊下を覗き込み、ルクスもといアッシュをみつけ、

「……どうしたの?」
「……な、んでもねぇ…」

とかそんな会話が。
ここらへん適当。
そのあとちょっとした問答があって、夢主はルクスの中身がアッシュになってることに気付き、鎌かけてみたりします。

「あのさ、いい加減名前で呼んでよ。私はちゃんと名前で呼んでるのに……」
「……は?いや、その」
「あ、そうだ!五秒数える間に言わなかったら…………三十秒間くすぐりの刑、ね……くす」
「っ?!ち、ちょっとまっ」
「ごー、よーん……」
「(テメエの名前なんて知るか……!!)」
「さーん、にー……」
「(大体こいつ何物なんだ!)」
「いーち……ぜろ!……ふ、ふふ……
「っ!?(き、気味がわりぃ!)」
「貴方……もしかしてアッシュじゃないですか?ルクス今体調悪いんですから、勝手に歩き回らないでくださいよねー」
「!?なっ、貴様何者だ!?」
「あ、やっぱりアッシュ。あと、私はただの一般人Aですよ」
「ふざけた事言ってるんじゃねえ!」


なんて会話が織り成されたらいいな。(アッシュ爆発5秒前)
この時点ではアッシュにもアビスの存在は隠すけど、異世界ということはばらします。
だから今はルクス……ルークの事はそっとしといてあげてとか夢主はアッシュにお願い。
アッシュ戸惑い。
その後時々時空を越えた便利通信網をつかってルクスと夢主の生活とかのぞき見したり二人と会話したりして、そのうち懐柔されていけばいいと思う。
そして三人仲良しこよしに。


そんな話がみたいです。
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