04
「そういえばなまえさんって、万事屋さんとお付き合いしてるんですかぁ?」
それは昼時、皆の昼食の準備中のこと。私はしょうが焼きの下ごしらえをしていたとき。月子ちゃんが味噌汁を作りながら、そんなことを切り出した。
「なっ!えっ!ぎ、銀さん!?」
「うぶですねぇ。もうその反応でわかっちゃいますよぉ、私」
にやにやと意地悪く笑う月子ちゃんに、私は頬が熱くなっていくのがわかった。
「銀さんとはべ、別にそんな…」
「でもお慕いしてるんでしょう?」
「とっ、年上をからかうんじゃありません!」
慌てて言った一言に手元が狂って醤油を少し溢してしまう。そんな私を見て、クスクスと笑う月子ちゃん。
どうやら彼女は、最近恋人ができたらしく恋の話をしたくて堪らないらしい。
「おい、なまえさん困らせんじゃねェ」
「げぇ、沖田さんじゃないですかぁ」
月子ちゃんが顔を歪める。そんなことに目もくれず、そうちゃんがティシュを渡してくれた。
お礼を言えば優しく笑い返してくれる。やっぱりそうちゃんは優しくていい子だ。
「隊長って呼べ、ぶりっこが」
「沖田‘隊長’もじゃないですかぁ、それ」
二人の間に見えない火花が散っている気がした。どうも二人は馬が合わないらしい。
イケメン大好きな月子ちゃんも、そうちゃんだけは別らしい。
「ベビーフェイスは好きじゃないんですぅ」と本人に向かって言っていたのを思い出して、未だ言い争う二人に苦笑いした。
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