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  何を考えているのやら


銀さんはあれだけ緊張していたくせになまえさんを前にすると、そんなこと嘘だったんじゃないかってくらいいつもの銀さんになる。

「ババアが必要な荷物持ってきてやれって五月蝿くてよォ」

「ふふ、そうだったんだ。わざわざごめんね」

「そんなことないアル!なまえに会えて嬉しいネ」

神楽ちゃんの照れ臭そうな表情となまえさんの笑顔を横目に、銀さんは段ボールを持っていく。1つだけ部屋の隅に置かれた段ボール。持ち主の帰りを待つように置かれたそれを視界にいれないように僕も荷物を持って銀さんの後を慌てて追い掛けた。

「旦那」

「あ、総一郎くんか」

「総悟です。最近なまえさんの定食屋だった場所に高杉の目撃が相次いでるらしいんでさァ」

高杉、その言葉に銀さんの表情が少し強張るのがわかった。僕も思わず息をのんでしまう。

「そうかィ。気を付けるわ」

相変わらずの気だるさそうな返事に銀さんの真意はわからないけど、あの過激攘夷浪士の高杉晋助がなまえさんに目をつける意図はもっと検討がつかないと思った。




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