04
そうちゃんに部屋を案内してもらったあと、辺りを見回すと段ボールで溢れていた。真選組の人達が運んでくれたらしい。これだけの荷物を自分で運ぶなんて無理だろうと思っていたから、本当に有難い。
ふと視線がひとつの段ボールにとまる。『泰助』と書かれたそれをみてハッとする。
壁にかけられた隊服。この部屋は泰助の部屋なのだ。ちゃんと帰る場所をつくってくれている彼等に私は涙が止まらなかった。
「ふっ…うっ…」
私はどれだけの人達に救われているのだろう。強くなりたいとそう思った。
私が泣いている間、障子越しにそうちゃんが私の様子を見ていたなんて知らずに私はただ涙がとまるまで必死に声を押し殺した。
(なまえさんを守れるくらい…もっと強くなりてぇ…)
握り締めた拳は決意を示すようで、部屋の隅で声を押し殺して泣く小さな背中に愛しさを感じた。
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