学パロです、一応…。


頭の上の大きなリボンが項垂れた。彼女の感情とリンクしているのだろうか。彼女はため息をはくと、手に持った紙を凝視した。教室にはもう人気はなく、自分の席に座ったまま彼女は項垂れている。

「何やってんの、リン。さっきから百面相して。」

そのまま見ているのも面白かったが、声をかけることにした。その声に反応した彼女の肩がぴくりと揺れた。

「うー、れぇん…。」

涙まじりの顔と声で見上げられ一瞬で理性が飛びそうになる。つか何なんですかね、この可愛いの。俺にどうしちゃって欲しいというの。

すみません、半分飛んでました。なんにせよ、可愛い彼女が泣いている。原因はなんだ?あの腐れネギ2人組がいらんことでもしたか?その場合、いまから本気で息の根を止めてやるぜ!

「体重が増えたぁ!」

そういうとリンは顔から机にダイビングしていった。
なるほど、さっきから持っている紙は、この間の身体測定の結果か。その結果を嘆いてたわけね。

「別にリン、太ってないじゃん。つか痩せすぎなレベルだし?」

別にこれは贔屓目とか慰めではなく、ありのまま太っていない。

「太ってるよ!だって身長変わってないし!」

ぶぅと頬を膨らませて反論する。はい、可愛い。

ちらりと見た測定結果には、確かに前回値よりも少し増えた数値が見える。大して変わってないのだが。女の子はこんな些細なことで一喜一憂するからなぁ。不貞腐れている顔も可愛いリンを横目にどうやって機嫌を直そうか考える。

(あ。)

「リン、ちょっと立って。」

俺がそう言うと、不思議そうな顔をしたが素直に従ってくれた。
席を立ったリンの後ろにまわると、そのまま前に手を伸ばした。

ムニュリ。

手には最高の感触。リンは固まったまま、何か言いたげに口をパクパクさせている。

「ほら、やっぱり。胸が大きくなってる。体重はそのせいだよ。」

平静を保って、いかにも真面目っすよというオーラを放ちながら言う。それが出来てるかどうかは分かりませんが。
するとリンがくるりとこちらを向いた。あぁ、まぁ、拳の一発や二発は覚悟せねばね。さりげなくおいしい思いをした代償だ。

しかし目があったリンの目は輝いていた。

「そうなのかな!リン、胸が大きくなったのかな?!」

素直に喜んじゃてますよ。うん、まぁ、ね。喜ぶあなたも可愛いですよ。

「うん、大きくなったんだと思います。」

なんつーか、反応違うくね?もっと色気のある反応を、ねぇ?そんな素直に喜ばれちゃったら俺邪心の塊みたいじゃん。

「えへへ〜!嬉しいな!ちょっと待ってて!ミクちゃんに報告してくる!」

パタパタと可愛い効果音が付きそうなほどの足音が教室の扉へと向かう。可愛いなとか思いながらも、これからの進展は長期戦だなと覚悟してため息をついた。

(ってあれ!?ちょっ、待て!)

「ダメだ!初音に言うのはまずい!」

俺の叫びは彼女に届くことはなく、俺は後日かなり面倒な戦争の渦中に身を置くことになるのだが、それはまた、別のお話。



ーーー

ルンルンさまに捧げます。
リクエストありがとうございました!










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