・真田と赤也

「…真田副部長」
「おぉ、赤也。久しいな、日本に帰ってきていたのか」
「うぃっす。一週間くらい前に帰国したんすよ、大会も終わったんで」
「勝ったか?」
「もちろんっすよ!」
「うむ、よく頑張ったな」
「あざっす!」
「……あざっす、だと?赤也貴様、今何と言った…?」
「げ…っ」
「相変わらず言葉の使い方がなっていないようだな…」
「あ、いや、えっと…!」
「たるんどるぞっ!」
「ヒィッ!!」

「……それで、わざわざ交番にまで来てどうしたんだ」
「あ、そうなんすよ真田副部長!俺の話聞いてくださいよっ!!」
「あ、ああ…どうした?内容によっては力になるぞ」
「副部長…っ」
「赤也…」
「有難うございます!」
「うむ。それでどうした」
「あ、実はですね…かくかくしかじかであーでこうなんですよ。それで幸村部長に丸井先輩を引き取ってもらえないかって言ったんすけど」
「ふむ」
「即答で駄目だって」
「そうか…」
「で、丸井先輩の所為で雅治くんと今ちょっと険悪な雰囲気になっちゃってて」
「…大変だな」
「ぐすっ…真田副部長、」
「なんだ」
「それであの、真田副部長んとこに丸井先輩を引き取って貰えないかっておも、」
「すまん赤也、それは無理だ」
「ちょ、真田副部長まで即答っすか!即答なんですか!?」
「悪いが、丸井を引き取ってやれるような余裕が我が家にはなくてな、申し訳ない」
「そ、そんなぁ…」
「他を当たってくれ」
「真田副部長ぉ…」
「ただし、」
「…な、なんすか」
「相談になら乗る。いつでも俺に相談してこい、赤也」
「副部長…っ」
「赤也…っ」

「有難う御座います!俺、頑張ってくるっす!!」
「うむ、頑張ってこい!」
「失礼しましたっ!」
「行ってこい!」



………
同じ交番勤務のお巡りさん(52)の証言「S田くんのことがまたわからなくなったとです」



(20110913)
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