・自宅にて 「そういえば赤也、」 「なんすか」 「結局柳には捕まったんか?」 「捕まったって人聞き悪いなあ…、ちゃんと柳さんとは会ったよ」 「ああ、ならよかった」 「てか毎回思うんだけどさ」 「ん?」 「なんで雅治くんにまで俺の話がいってるのか、毎回疑問です」 「アンサー。それはお前さんが行方をくらます度に、大半が俺んとこに帰ってきとるからです」 「…なるほど」 「他に質問は」 「ないっす」 「じゃあ次は俺から疑問が」 「なんすか」 「赤也、ヨーロッパ大会で向こうに行っとる間は、日本には一回も帰ってきとらんよな?」 「そりゃ、当たり前じゃないっすか。大会の最中に帰国したいなんて言おうものなら、柳さんに柱にでも縛り付けられる」 「…うん、そうやね」 「それがどうかしたんすか?」 「いや。特に深い意味はないから、気にせんでいいわ」 「そっか。…あ、雅治くん肉煮えたよ。他の野菜も大丈夫っぽい」 「ん。…あ、この肉うま」 ……… 不審者が赤也とは別人であったことに改めて安易した仁王雅治(22) (20110328) |