「雅治くん!」 「あれ、赤也」 「ちょっ、なんすかその感動も何もない再会の言葉はっ」 「いやあ…」 「いやあ、じゃなくて!」 「おかえり赤也」 「ただいま雅治くん」 「お前さんのこと、柳が探しとったぜよ。また逃亡したって」 「逃亡って…」 「まあ逃亡は嘘じゃ。正確には行方をくらました言うとった」 「あんま変わんないじゃん」 「うん」 「雅治くんは俺が帰ってきても嬉しくないの?長い間離れてたのに!」 「そう言うけど、また暫く居ってくれるから大丈夫」 「ま、雅治くん…っ」 「なんじゃ」 「やっぱり生の雅治くんが一番だ!写真なんかじゃ耐えらんない!」 「そうかそうか。わかったからとりあえず落ち着きんしゃい」 「うん」 「こんなとこで話しとっても寒いし面倒やから、家帰ろ」 「久々の愛の巣だ…」 「何が愛の巣じゃ」 「俺と雅治くんの家が」 「恥ずかしいやつじゃな…」 「仕方ねえじゃん、雅治くんのことめちゃくちゃ好きなんだから」 「…ん」 「あ、そういえばお土産沢山買ってきたんだよ。家帰ったら見せるね」 「また変なもんじゃなかね…?」 「変なもんなんて買ってきてない!大丈夫大丈夫!」 「ふーん…」 「あ、それと今日は俺が飯作る」 「別に構わんけど、帰ってきたばっかりで疲れとるんじゃなか?」 「大丈夫っす!」 「ならええけど…」 「なんか食べたいもんある?」 「いや、特には。赤也が作ってくれるもんならなんでもええ」 「マジで?んじゃ、寒いから鍋にでもしよっか」 「おん」 (20110328) |