・柳生と

「えー、こちら貴方の悪友仁王雅治なり。そちら柳生比呂士の携帯でおっけいかのう?」
『…久しぶりに電話を掛けてきたと思ったら、貴方という人は』
「ただのお茶目じゃろ」
『変わりませんね』
「変わらんよ」

『それで、突然電話などしてきてどうかなさったんですか?』
「いや、うん、あのな…」
『はい』
「柳生は弁護士じゃろ?」
『ええ。何を今更』
「最近な、ジャッカルが疲れがな、溜まっとんのかわからんけどな、元気ないんよ」
『…仁王くん』
「なん?」
『それは弁護士という職業ではどうにもすることは出来ません』
「……えっ」
『なんですか、その今知ったみたいな反応は。当たり前でしょう』
「柳生さんならどうにか出来るような気がしとった…」
『どんなイメージですか』
「スーパーヒーロー弁護士☆比呂士くん!、みたいなイメージ」
『やめて下さい』
「ちっ」
『舌打ちもしないで下さい』
「ジャッカル見捨てるんか!」
『そうは言っていません。とりあえず、良い病院を紹介いたしますのでそちらを桑原くんに薦めて下さい』
「んー、」

『気が済みましたか』
「まだ俺暇なんじゃけど」
『私は忙しいです』
「子どもたちまだお昼寝タイム中でな、ジャッカルも死んだように寝とるから暇で暇で」
『そうですか』
「柳生冷たい」
『そろそろ切りますよ』
「うん」
『あ、構わないのですか。それではまた』
「おう」
『失礼します』
「じゃあなー」

(結局、彼は何がしたかったのでしょうか…。相変わらずよく分からない人ですね)



………
仁王は柳生へ意味の分からない電話を突然掛けたくなることがあるとかないとか。


(20110325)
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