・保育園にて

「ジャッカルー」
「だから先生をつけろって…はぁ、どうしたんだ?」
「なんかねなんかね!あそこにへんな人がいるのー」
「…変な人?」
「うん」
「何、どこだ?(まさか、最近近所で目撃されてる不審者か…!?)」
「ほら、あの木のとこ」
「……」
「草にかくれてちゃんとみえないんだけどね、なんかもじゃもじゃした人がいるのー」
「もじゃもじゃ……、っ!?」
「ね、居たでしょー?…あれ、ジャッカルかたまっちゃったよ?雅治せんせー!!」

「……ん?どうしたん?」
「なんかね、ジャッカルがかたまっちゃったんだー」
「なんでまた…」
「あそこの草のとこに人がいるって言ったらね、かたまっちゃったの。どうにかしてあげて!」
「おん、わかった。ジャッカルは俺がどうにかするから、向こうでみんなと一緒に遊んでき?」
「うん!」

「……ジャッカル」
「……」
「ジャッカルー」
「っ、な…仁王」
「俺の顔見て驚くっちゅうんは、失礼じゃなか?」
「わ、悪かった。それよりもあそこ、あそこ見てくれ!」
「なんじゃ、子どもたちといいお前と言い…別になんも…」
「よく見ろ!!園の中で一番立派で大きなあの木の、根本に生えている草んところだ!」
「草…?」

ガサガサッ

「………っ!?」
「い、いま動いたぞ!!」
「……」
「あのよ、仁王。今のってもしかしなくても赤――」
「俺はなんも見とらん」
「おい仁王!まさか…まさかあれを無視するつもりなのか!?おいっ!!」
「俺は…俺はなんも見てないんじゃ、お前さんの見間違えなんじゃアホォォオオオッ!!!!」
「待て仁王ーっ!現実を見るんだぁぁあああ!!」

「園長せんせー!雅治せんせーとジャッカルが壊れちゃったよー!」



………
仁王とジャッカルはもじゃもじゃの悪魔を目撃したそうです。


(2011.Poncho Shiramine)
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