・真田と

「あ、真田」
「仁王」
「わざわざ保育園の前まで来て、どうしたんじゃ?」
「いや、ここ最近この近所で不審者の目撃情報が相次いでいてな。巡回の途中だ」
「はぁ…大変じゃな」
「お前も気をつけろ」
「俺は平気じゃよ」
「…うむ、ならいいのだがな」

「雅治せんせー!」
「あ、まさくん。どうしたんじゃ、そない慌てて…」
「あのねあのね!向こうでげんきくんとれんくんがケンカしてるの!!」
「ほんまか!?そら大変じゃっ」
「仁王、どうした?」
「いや…子供たちが喧嘩してるみたいで、止めに行かんと…――」

「雅治せんせー!」
「雅治せんせー…」
「あ、れ…二人とも、喧嘩しとったんじゃなか?」
「おれたち、まさくんが居なくなったから止めたんだよ!」
「ご、ごめん…」
「あやまんなって!」

「…どうやら、片づいたようだな」
「そうみたいやね…」
「あ、お巡りさんこんにちはー」
「あぁ、こんにちは」
「ずいぶん顔が老けたお巡りさんなんだなー」
「なっ…!?」
「こ、こら!れんくん!」
「いくつなんすかー?」
「げんきくんまで…っ」
「…仁王と同い年だ」
「うっそ?!」
「まじすか!?」
「…ほんまじゃよ」
「えーっ、老け顔」
「…ふ、!?」
「年ごまかしてんじゃねーの?」
「な…っ」
「こらおまんら、いい加減にしんしゃい!とりあえず、向こう行き」
「「はーい」」

「さ、さなだ…」
「………」
「えっと…、すまんかった…」
「い、いや…」



………
この日真田は渾身の一撃を受けた


(2011.Poncho Shiramine)
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