・保育園にて

「ジャッカルー」
「ジャッカルー」
「おー、どうしたお前ら」

「雅治せんせー!」
「雅治せんせー!」
「んーどげんしたー?」

「…仁王」
「ジャッカル。どうしたんじゃ」
「なんで子どもたち、他の保育士さんは先生って呼んでるのに、俺だけ呼び捨てなんだろうか」
「…親しみやすいからじゃなか?」
「それにしたってだな、訂正しろって言っても笑うだけだし、何故かよくわからないがこき使われるし、」
「…」
「…俺ってなんなんだ…」
「ま、まぁ子どもたちにはそれでも好かれとるし、プラスに考えなあかんて!」
「……」
「子どもたちもジャッカルが大好きなんじゃよ!」
「けどな仁王…」
「なん?」
「俺には、ブン太がいっぱい居て、大量のブン太を一気に世話してるようにしか思えないんだ…」
「ジャッカル…ッ」
「中学高校のころとそれほど変わらない気がするんだよ。あいつは今頃フランスの空の下に居るのにな…」
「…そうやね」


ジャッカルが初めて可哀想に思えた仁王だった


………
仁王は「雅治先生」
ジャッカルは「ジャッカル」



(2010.Poncho Shiramine)
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